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UPDATE4: 住友商事<8053.T>がJCOM<4817.Q>株をTOB、KDDI<9433.T>を凌いで筆頭株主へ

*住友商事の記者会見の内容を追加しました。

 [東京 15日 ロイター] 住友商事8053.Tは15日、ジュピターテレコム(JCOM)4817.Qに株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。KDDI9433.TがJCOM株の31.1%の議決権を取得することになったことに対抗し、KDDIを凌ぐ水準の34―40%の株式の取得を目指す。役員派遣などで経営関与を続けてきたJCOMについて、筆頭株主になる水準まで株を買い増すことで、これまでの主導的な立場を維持する狙い。

 住友商事は1995年、米リバティグローバルグループLBTTA.Oとの共同出資でJCOMを設立。以後、リバティの議決権比率の37.8%に次ぐ、27.7%の大株主として、JCOMに取締役を派遣するなど同社の経営に積極関与を続けてきたが、住友商事とリバティの間のJCOMへの共同出資契約は今月18日を期限として解消する予定になっており、投資回収を考えていたリバティの持ち分のすべては、KDDIが19日に3617億円で買い取ることが決まっていた。

 これによってKDDIの議決権比率は31.1%になる見込み。金融庁からの指摘を受けて、リバティの持ち分37.8%のうち6.7%相当の議決権を信託銀行に譲渡する。KDDIはリバティに替わって筆頭株主になる見込みだが、住友商事は、JCOMへの主導的立場を継続したいとして、筆頭株主の立場を確保するまで買い付けを行うことを決めた。

 TOB期間は3月3日から4月14日まで。決済日は21日。TOB価格は1株13万9500円で、KDDIが取得する価格と同水準とした。JCOM株の15日終値は1株あたり9万円だった。買い付け総額は最大で1221億円。TOBの成立条件は、住友商事の議決権割合は保有株などを含め下限の場合で34%、上限の場合は40%。下限に満たない場合は応募株券の全部を買い付けない。上限を超える場合は、超える部分の全部または一部の買い付けを行わない。

 <KDDIとの協議が焦点に>

 記者会見した住友商事の大澤善雄・取締役常務執行役員は、JCOMについて「15年にわたって手塩にかけて育ててきた」とし、KDDIを凌ぐ筆頭株主になるまで株式を取得することで、これまで通りに主導的な立場で経営関与を続けたいとの意向を示した。

 一方のKDDIは、JCOMへの資本参加のねらいについて、JCOMが保有する固定回線を取り込んで、対NTT9432.Tでの競争力強化を打ち出している。ただ、これに対して大澤常務は「JCOMはケーブルテレビ会社で、有料多チャンネル放送がメーン。KDDIが得意の電話やインターネットの世界とはだいぶ体質が違うのではないか」と指摘し、住友商事の映画関連事業やメディア事業とのシナジー追求が有効だと強調した。

 ただ、今回のTOBについては「KDDIとは一切話をしていない」という。また、KDDIがJCOMに資本参加することについても「細かいことは何ひとつ知らされていない」と述べた。これについて、KDDIの広報は、利害関係の発生する住友商事とは「株式取得前の接触は避けている」としている。 

 今後のJCOMの運営をめぐっては、住友商事とKDDIとの協議が焦点になりそうだが、大澤常務は「今は白紙で何も考えていない」とした。ただ「TOBが完了した段階で、そういう話があれば可能性として否定するものではない」とも述べた。

 住友商事の小川潔法務部長によると「今の時点でKDDIと話をすることは差し控えるべきと弁護士からアドバイスをもらっている」とし、法務上の対応として、TOBで利害関係のあるKDDIとの協議は4月21日の払い込みのあとになる見通だという。

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 (ロイター日本語ニュース 村井 令二)

 ※(reiji.murai@thomsonreuters.com; 03-6441-1823; ロイターメッセージング:reiji.murai.reuters.com@reuters.net)

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