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消費税引き上げ時期や幅を明示せず=09年度税制改正大綱

 [東京 12日 ロイター] 自民党は12日、2009年度税制改正と税制抜本改革の全体像を示した09年度税制改正大綱を発表した。来年度改正では、景気後退の長期化・深刻化に備え、住宅・土地税制を中心に内需刺激のため大胆かつ柔軟な減税措置を講じる。焦点の消費税の引き上げ時期や上げ幅についての明記は見送られ、税制抜本改革の道筋では曖昧さを残した。

 <消費税含む抜本改革は「経済好転後」、必要な法制上の措置を事前準備>

 焦点の消費税引き上げの時期について大綱は「消費税を含む税制抜本改革を経済状況の好転後に速やかに実施し、2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」とし定性的な表現にとどまった。

 具体的な実施時期の明示は抜本税制改革の実効性を担保するために必要不可欠とみられ、麻生首相も消費税引き上げの時期を盛り込むよう指示していた。しかし、引き上げ時期が一人歩きすることを懸念し反対した公明党の主張を受け入れ、「経済好転後」との曖昧な表現にとどめた。

 一方で大綱は、抜本改革を実施し持続可能な財政構造を確立するために「必要な法制上の措置をあらかじめ講じておく」ことを求め、改革実施のための準備を前倒しで開始する必要性も指摘している。さらに「経済動向の変化に弾力的に対応する」など、経済情勢によって抜本改革を停止する弾力条項も明記した。

 そのうえで大綱は「道筋を立法上明らかにすることなどをもって、われわれが直面する経済金融面の危機のみらなず、社会保障の安定財源確保、格差の是正や経済の成長力の強化という中期的課題にも応えた財政を構築する責任を担う姿勢を示していきたい」とし、抜本改革の道筋を法定化する必要性にも踏み込んだ。

 <消費税は社会保障の主要な財源、財源確保の道筋をつけるべき>

 大綱は「直面している危機は、当面の経済金融情勢によるものにとどまらない」とし、安心で活力ある経済社会などを構築していくための財政構造の構築を強調。累増する社会保障費について「抑制によってのみ対応していくことは適切でない」との限界論も示し、消費税を含む税制抜本改革の必要性を訴えた。

 さらに、大綱は消費税を「社会保障の主要な財源」と位置づけ「財源確保の道筋をつけるべきだ」としたが、「(抜本税制改革の)基軸となるべき消費税率の見直しについては、現在の厳しい経済状況から今その実施のタイミングにはない」と述べている。

 他の税目については(1)所得税の最高税率引き上げなどによる高所得者の負担増や、給付付き税額控除の検討を含め中低所得者世帯の負担軽減を検討(2)相続税の強化、(3)法人税は課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる方向を示した。

 <2009年度税制改正では、内需刺激のため大胆・柔軟な減税措置を講じる>

 他方、2009年度税制改正では、景気後退局面に入った日本経済が「今後、景気の下降局面が長期化・深刻化する恐れも指摘されている」との厳しい景気認識を示し、年度改正では「今年度からの3年間のうちに景気回復を最優先で実現するとの断固たる決意に基づいて、わが国の内需を刺激するため、大胆かつ柔軟な減税措置を講じる」との方針を明確にした。

 需要喚起効果の高い住宅や土地税制に切り込み、住宅ローン減税は最大控除可能額を最高水準まで引き上げるとともに、所得税から控除しきれない額は個人住民税からも控除できる仕組みを導入し中低所得者層にも配慮する。また、土地需要を喚起し、土地の流動化と有効活用を強力に推進する観点から、今後2年間に取得する土地について、長期所有にかかる譲渡益について新たな特別控除制度を設ける。

 また、自動車の買い換え・購入需要を促進する狙いから、自動車重量税・自動車取得税について条件付きで3年間の軽減措置を講じる。

 不透明感を払しょくしきれない金融市場への税制面からの対策として、証券優遇税制は3年間延長する。さらに、上場株式等の配当等の軽減税率が廃止され本則の20%に戻る2012年に、少額の上場株式等の投資のための非課税措置を導入すべく、具体的検討を進める。

 自民・公明両党は今夕開く与党税制協議会で同税制改正大綱を正式に決定し、2009年度与党税制改正大綱として発表する。

 【2009年度税制改正大綱の主な内容】 

 ・住宅ローン減税は住民税も対象。最大減税額を長期優良住宅(200年住宅)は10年間で最大600万円、一般住宅は同500万円に拡充

 ・2009年─2010年に取得した土地の長期譲渡所得の1000万円特別控除制度の創設。所有期間5年超に限定。

 ・上場株式等の配当・譲渡益の軽減税率を2011年末まで3年間延長

 ・少額の上場株式等投資のための非課税措置の創設。非課税対象は上場株式等の配当・譲渡益。限度額は年100万円を上限に5年間の計500万円。

 ・中小企業の法人税の軽減税率を現行の22%から18%に引き下げ。

 ・たばこ税の増税は見送り

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