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焦点:北朝鮮、核実験再開なら弾頭小型化を追求か

[ソウル 22日 ロイター] - 北朝鮮が仮に核実験を再開する場合、小型の「戦術」核弾頭の開発を含むものになると専門家は予想している。戦場での使用を目的とし、先週末に実験したような短距離ミサイルに合う設計の核弾頭だ。

 4月22日、北朝鮮が仮に核実験を再開する場合、小型の「戦術」核弾頭の開発を含むものになると専門家は予想している。写真は17日、ソウル市内で北朝鮮による「新型戦術誘導兵器」発射実験のニュースを見る市民(2022年 ロイター/Kim Hong-Ji)

韓国と米国の高官らによると、北朝鮮は豊渓里核実験場の地下トンネルでの実験再開を模索している兆候がある。この実験場は2018年に公式に閉鎖された。

北朝鮮は16日、新たな短距離ミサイルの発射実験を行った。国営メディアによると、「戦術核運用の効率強化」が目的で、同国が特定のシステムと戦術核兵器を結びつけたのはこれが初めてとなる。

アナリストは、短距離ミサイルに小型弾頭を搭載するようになれば、北朝鮮の核兵器の使用法、およびその計画が危険な変化を遂げかねないと危惧する。つまり、北朝鮮はより数多くの核弾頭を配備できるようになり、攻撃抑止のために少数の都市に脅しをかけるのではなく、韓国の幅広い軍事目標に対して使用する可能性があるという。

米カーネギー国際平和基金のアンキット・パンダ氏は「北朝鮮は、戦術核兵器を展開するために実験を行う必要はない。だが、そうした兵器の開発を進めるにあたり、おそらくこれまでより低出力の核で7回目の実験を行うとみた方がよさそうだ」と述べた。

これまでの6回の核実験は、回が進むごとに大型の兵器を爆発させてきた。直近の実験は水素爆弾だったとみられている。

韓国軍の退役司令官、ジュン・インブム氏は「北朝鮮は核弾頭を持っていることを誇示する必要はないが、今回は比較的小型のミサイルに搭載できるほどの小型弾頭を持っていることを誇示している可能性がある」と指摘。「これは朝鮮半島の危険性が大幅に高まり、北朝鮮の能力が徐々に高まっているということだ」と述べた。

週末のミサイル発射実験は、金正恩朝鮮労働党総書記が視察したことでその重要性がうかがえる。同国は最近、戦争になれば核兵器を使って韓国軍を一掃すると警告しており、それを裏付ける行動だ。

北朝鮮は最近、「極超音速ミサイル」だと主張する兵器を含む一連の実験を実施。韓国の尹錫悦次期大統領は事態を懸念し、自国の軍事的抑止力を強化し、攻撃が差し迫った時の先制攻撃を可能にすべきだと主張している。

<小型核弾頭>

戦術核兵器という言葉に世界共通の定義は無いが、射程500キロ未満で戦場使用の地上配備型ミサイルを含むシステムを指すことが多い。

出力、つまり爆発の規模はしばしば他の核兵器よりも小さい。ただ、物理的に小型の弾頭でも比較的大きな出力を備えていることはある。

冷戦時代に米国とソ連はいずれも戦術核兵器について、敵軍の壊滅的な進撃を阻止する手段と見なしていた。戦略的利用目的の大型兵器よりも破壊力は小さいため、指導者が発射に前向きになりやすい、と指摘するアナリストもいる。

米国防情報局は2017年時点で既に、北朝鮮は短距離弾頭ミサイル(SRBM)から大陸間弾道ミサイル(ICBM)に至るまで、あらゆるシステムに搭載できるよう核兵器を小型化することが可能になった、と分析していた。

金正恩氏は昨年1月、北朝鮮には小型核弾頭の製造能力があると誇り、「戦術的使用に適するよう、核兵器を小型化、軽量化する」ことを中核的な戦略的課題に据えた。

パンダ氏は、自身の調査で北朝鮮が複数の選択肢を有することが分かったと言う。1945年に日本に落とされた「砲身式」の弾頭や、米国の核砲弾W48など特に小型の核兵器に使われているプルトニウムをベースにした線形の爆縮式爆弾が含まれる。

しかし前者は高濃縮ウラン燃料の使用量が多過ぎ、後者は複雑でプルトニウムの使用量が多過ぎるという問題がある。従って北朝鮮は、既に開発済みの標準的な球形の原子爆弾に固執する可能性が高い。

パンダ氏によると、北朝鮮が既に展示した弾頭は、最近実験した「KN―23」もしくは「KN―24」SRBMの一部に搭載できるほど小型化している様子だ。ただアナリストらは、これらのミサイルが核に対応できるよう意図されているかどうかは不明だとしている。

パンダ氏は、週末の実験によって北朝鮮がさらに小型の弾頭開発に野心を持っていることが示されたとみている。

「北朝鮮はまずこれらの実験を行った後、より小さな寸法に合う奇抜な弾頭を選ぶかもしれない」とパンダ氏は語った。

同氏によると、そうした実験の際には金正恩氏が関係機関を訪れて戦術核弾頭の実物大模型を視察するという、「お披露目」の要素が盛り込まれる可能性もあるという。

(Josh Smith記者)

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