June 6, 2019 / 3:40 PM / 21 days ago

ECB理事会後のドラギ総裁発言要旨

[ビリニュス 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で金利ガイダンスを変更し、少なくとも2020年上半期を通して金利を低水準にとどめるとしたほか、新型の貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO3)に適用される金利を、最も低い場合でマイナス0.3%(中銀預金金利に0.1ポイント上乗せ)とすることも決定した。

 6月6日、欧州中央銀行(ECB)は理事会で金利ガイダンスを変更し、少なくとも2020年上半期を通して金利を低水準にとどめるとした。写真はドラギ総裁(2019年 ロイター/INTS KALNINS)

ドラギ総裁の理事会後の記者会見での発言は以下の通り。

<金利は現行水準にとどまる>

金利を現行水準にとどめることを決定した。少なくとも2020年上半期を通して現行水準にとどまると予想している。

<デフレに陥る公算はない>

デフレに陥る公算はなく、リセッション(景気後退)に陥る可能性は極めて低い。インフレ期待が目標から遠ざかる(デアンカリング)恐れはない。

<フォワードガイダンスの延長>

英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性のほか、一部の新興国の脆弱性を巡る不確実性に加え、世界的な貿易の伸びを巡る先行き不透明性は、3月時点のわれわれの予想を超えて増大した。このため、フォワードガイダンスを延長した。

<低調な製造業活動はリスク>

サービス部門はなお持ちこたえており、投資も順調だ。穏やかな天候に支えられ、建設部門も堅調だ。

しかし、経済全体がどの程度の期間、低調が続く製造業部門からの影響を回避できるかが主要課題だ。こうした状況を考慮し、ECB理事会は利下げもしくは資産購入策の再開といった政策ツールを再度実施する用意があると表明した。

<次の動きは利下げよりも利上げになるかとの質問に対し>

答えは「ノー」だ。

<経済情勢悪化した場合の選択肢>

状況が悪化した場合の行動を巡っては、複数のメンバーが追加利下げの可能性を提議し、他のメンバーが資産購入プログラムの再開、もしくはフォワードガイダンスの修正などを提示するなど、踏み込んだ話し合いとなった。

<ECBの責務拡大>

ECBが担う責務は当局者が決定する。ただ、中央銀行が担う責務が、例えば物価安定のみの場合でも、雇用創出が含まれる場合でも、中銀は多かれ少なかれ、物価安定と雇用に関して似たような見通しを作り出しているとの調査結果がこれまでに出ている。

(責務に雇用を追加することが)実際に何らかの違いをもたらすのかは分からない。これまでのわれわれの経験に基づくと、ECBのすべての金融政策は常に、明確に物価安定のために利用されてきた。ただ同時に雇用増の方向にも作用した。雇用増を責務に加える必要性はあるのだろうか。

<金融政策の波及チャネル注視>

マイナス金利が金融政策スタンスやインフレに及ぼすプラス効果が、銀行の仲介機能に与え得る副作用によって損われることはない。銀行に絡む金融政策の波及チャネルや軽減措置が妥当となる状況を引き続き注視していく。

<世界的逆風>

1―3月期の経済指標は予想を上回る一方、最近の指標は世界的な逆風が依然として域内経済を圧迫していることを示している。地政学的な不確実性や保護主義の台頭、新興国市場の脆弱性が景況感に影を落としている。

<TLTRO金利>

条件付き長期資金供給オペ(TLTRO3)は、リファイナンス金利(現行0%)に0.1ポイント上乗せした金利が適用されるが、一定の融資基準を達成した銀行については、中銀預金金利(同マイナス0.4%)に0.1ポイント上乗せした金利が適用される。

<金融政策のニューノーマル(新常態)>

世界は1年前や3年前と比べて正常化したのだろうか。

金融政策は発生する事態や台頭する課題に適切に対応するための手段を利用する。現在は金融政策は非伝統的であると言われており、正常化からほど遠い状態にある。これは、金融政策以外のものが正常化から程遠いためだ。

実に長期にわたりこうした状態が続いている。まず世界的な金融危機、次いで(ユーロ圏)債務危機、ギリシャ危機が発生した。現在は保護主義の台頭、地政学的な脅威に直面している。

<フォワードガイダンスが利上げに傾いているかとの質問に>

傾いていない。

<政策余地はある>

本日の議論では(政策余地に関する)疑問を正しく評価したと考えている。政策余地は存在する。

<あらゆる手段を活用>

仮にマイナスの緊急事態が現実のものとなった場合、理事会は行動し、利用可能なあらゆる手段を活用する用意があるというのが、本日交わした議論の内容だ。

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