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コラム

コラム:ECB総裁の発言変化、英中銀の「実弾」より威力大きく

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 2月3日、 欧州中央銀行(ECB)は政策金利を据え置いたが、同日に利上げを発表したイングランド銀行(英中央銀行)に匹敵するほどの衝撃を市場にもたらした。写真は3日、フランクフルトで記者会見するラガルドECB総裁。代表撮影(2022年 ロイター)

[ロンドン 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州中央銀行(ECB)は3日に政策金利を据え置いたが、同日に利上げを発表したイングランド銀行(英中央銀行)に匹敵するほどの衝撃を市場にもたらした。実のところ、ラガルドECB総裁が従来のインフレ見通しを変えて年内利上げの可能性をほのめかしたことの方が、ベイリー英中銀総裁の「実弾」よりも市場に大きな波を広げた。

ラガルド氏は、ユーロ圏のインフレ率は予想以上に長く高止まりする公算が大きい上、リスクは上向きに傾いていると指摘し、市場に「爆弾」を落とした。1月のインフレ率は過去最高の5.1%に達している。

物価安定の責務を担う中銀にとって、この発言は重大な「告白」だ。「ユーロ圏のインフレリスクは他の主要各国よりも小さい」というラガルド氏の従来の姿勢からの転換を意味する。このためトレーダーは、ラガルド氏が利上げの準備を進めていると一気に結論付けた。同氏はこれまで、年内利上げの可能性は小さいと述べていた。

短期金融市場が既に2日の段階で、ECBが年末までに30ベーシスポイント(bp)の利上げを行うことを織り込んでいたのは確かだ。しかしラガルド氏が3日に記者会見を終えるまでには、市場が織り込む6月利上げの確率は90%を超えた。

総裁の発言で揺れたのは短期金融市場だけではない。英中銀が25bpの利上げを発表した後にポンドに対して下げていたユーロは、安値から1%以上も跳ね上がった。国債利回りもユーロ圏全体にわたって上昇した。

ラガルド氏は利上げの条件がどの程度整っているのかを明言せず、3月の理事会でECBスタッフの新たな経済・物価見通しを示すとした。しかし、総裁がそれを意図したか否かはともかく、トレーダーと投資家は早くもECBの利上げについて予想を固めてしまった。

英中銀のベイリー総裁は投資家に発言を深読みされた経験がある。3日の利上げは市場の予想通りだったが、過去には英中銀の決定が市場を驚かせ、資産価格が乱高下したこともある。ラガルド氏は英中銀などの経験に学び、本当に伝えたかったことを市場に伝えられたのなら幸いだ。

●背景となるニュース

*ラガルドECB総裁は3日、理事会後の記者会見で、ユーロ圏のインフレは予想以上に過熱しており、リスクは上向きに傾いていると述べた。

*ECBはこの日、現状の金融政策を維持した。ラガルド氏はECBが急いで動くことはないとしながらも、2022年中に利上げする可能性は極めて小さい、という過去の発言は繰り返さなかった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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