July 18, 2018 / 2:19 AM / a month ago

金利指標改革の頓挫でシステミックリスクも、ECBが警告

[ロンドン 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ建ての指標金利である欧州銀行間取引金利(EURIBOR)の改革が不発に終わった場合にシステミック(金融システム全体に影響が及ぶような)リスクに発展する可能性があると警戒している。

 7月17日、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ建ての指標金利である欧州銀行間取引金利(EURIBOR)の改革が不発に終わった場合にシステミック(金融システム全体に影響が及ぶような)リスクに発展する可能性があると警戒している。写真はユーロのロゴとECB本部ビル。2011年12月にフランクフルトで撮影(2018年 ロイター/Alex Domanski)

ECBを含む世界の金融当局は大手金融機関による関与が明らかになった金利不正操作の再発防止に向け、指標の見直しを進めている。ただ、指標金利は住宅ローンやデリバティブ(金融派生商品)など幅広い金融取引の基準となっているため、代替指標に速やかに移行することは難しい状況だ。

それでもなお、改革の期限は迫りつつある。特に欧州では欧州連合(EU)の欧州委員会が、EURIBORとユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)について、全く新たな代替指標あるいは不正を防止できる改良版を、2020年初頭までに導入するよう求めている。

ECBの市場操作(オペ)担当幹部、コルネリア・ホルトハウゼン氏は「20年に施行される規制に対応する必要がある。残り1年半を切った」と指摘した。

「20年1月にシステミックな問題が発生しないよう、EURIBOR改革について最善の結果を望むだけだ」と述べた。

ユーロ圏はEURIBOR改革とともに、EONIAの代替指標を20年までに導入する必要があるため、状況はさらに困難になっている。規制当局はEONIAは廃止すべきとの立場だ。

20年時点で、EURIBORとEONIAを基準とするデリバティブは131兆ユーロ(153兆2000億ドル)に上り、ローンは5兆3000億ユーロあると推定されている。2つの指標の改革を同時に進めることで、混乱の回避を狙っている。

ECBはEONIAに代わる指標として「ユーロ短期金利(ESTER)」と呼ばれる新たな基準金利を提案している。ただ、ESTERが使用可能となるのは19年終盤で、期限ぎりぎりだ。一方、市場では、EONIA廃止について猶予が認められることへの期待感がある。

ホルトハウゼン氏は「多くの銀行はかなり悠長に構えている。公的部門が銀行のために問題を解決してくれると考えているからだ」と批判した。

EURIBORはEONIAよりも取引が少ないため、代替指標を見つけるのはさらに困難になるとみられる。EURIBORの運営機関である欧州マネー・マーケット協会(EMMI)は、銀行の推計値に基づく現行の算出方法の代わりとして、実取引に基づく算出方法を検討してきた。実取引に推計値を加味する方法も検討対象となっているが、EMMIを監督するベルギー当局が、金利操作のリスクが依然高いとして承認しない可能性がある。

ホルトハウゼン氏は、20年までにEURIBORの代替指標を導入するのは「ほとんど不可能」との見方を示した。代替指標がないまま既存の指標が廃止されれば、市場に大きな影響が及ぶことになる。

同氏は、英国と米国が約2年前に取り組みを開始したのにまだ解決策で合意できていないことを考えると、ユーロ圏がEURIBORの代替指標を今後17カ月間でに導入できる可能性は低いと指摘。その上で、改革を成功させる必要性をあらためて強調した。

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