May 29, 2019 / 3:50 PM / 21 days ago

ユーロ圏金融安定リスク増大、公的債務や英EU離脱など=ECB報告

 5月29日、欧州中央銀行は半期に1度の金融安定報告で、ユーロ圏経済が今年減速すると予測される中、金融安定に対するリスクは高まっているとの見解を示した。フランクフルトのECB本部で昨年4月撮影(2019年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は29日に公表した半期に1度の金融安定報告で、ユーロ圏経済が今年減速すると予測される中、金融安定に対するリスクは高まっているとの見解を示し、リスクとして不動産バブル、高水準の公的債務、英国の欧州連合(EU)離脱など多岐にわたる要因を列挙した。

ユーロ圏の経済成長が過去1年間で急速に減速する中、世界的な通商戦争で企業心理の悪化が進み、市場が乱高下するリスクが高まっている。こうしたことを背景にECBは「経済見通しに対する下方リスクが台頭する中、金融安定に対する課題は増大する」とし、「成長に対する下方リスクが現実化すれば、脆弱な加盟国の資金調達コストが上昇する恐れがあり、これにより債務の持続可能性に対する懸念が台頭する可能性がある」と警告した。

ECBの懸念を裏付けるように、EUの執行機関である欧州委員会は来週、イタリアに対しEU財政規律違反を通告し、是正措置を勧告する見通しであることが複数のユーロ圏当局者の話で明らかになっている。ECBは報告書で「財政規律の欠如や財政改革と構造改革の遅延だけでなく、これまでに実施された改革が覆されれば、脆弱な加盟国に対する圧力が再び高まる恐れがある」とした。ただECBはイタリアを名指しすることは控えた。

ECBはもう1つのリスクとして銀行の収益に言及。銀行の自己資本利益率(ROE)は向こう2─3年は約6%になると予想。大部分の銀行は投資家が要請する8─10%を達成できない公算が大きいと指摘した。

このほか、住宅市場で緩やかなオーバーバリュエーションの兆候が出始めていると警告。「ECBは不動産市場を注視しており、必要に応じて資本金をベースとしたマクロプルーデンス措置を導入する可能性がある」とし、価値の過大評価の拡大阻止に向け、ECBが銀行に対し資本金の積み増しなどを要請する可能性があることを示した。

また、英国のEU離脱に対しユーロ加盟国は比較的十分な準備ができているとしながらも、条件などで合意できないまま英国が離脱した場合、経済成長が損なわれると同時に、合意なき離脱のリスクが適切に市場で織り込まれていないことから金融市場が波乱に見舞われる恐れがあると指摘。「通商を通した波及的な影響に加え、合意なき離脱に関連する市場への衝撃がユーロ圏の経済成長に対する重大な下向きリスクとなっている」とした。

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