May 31, 2019 / 8:43 PM / in 3 months

ECB総裁、来週の理事会で「景気は順調」と平静装う公算

[フランクフルト 31日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は6月6日に欧州議会選挙後で初めてとなる理事会を開く。ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、不確実性が高まる中でも欧州経済は順調に推移していると平静を装う一方で、銀行への長期資金供給オペに言及すると同時に、将来的に一段の景気刺激策を導入する可能性を示すとみられる。

5月31日、ドラギECB総裁は6月6日の理事会後の記者会見で、銀行への長期資金供給オペに言及すると同時に、将来的に一段の景気刺激策を導入する可能性を示すとみられる。写真は4月10日、フランクフルトで撮影(2019年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

ただ、これ以上の「ドラギ・マジック」が出てくるにはしばらく時間がかかるもようだ。

世界では貿易戦争がエスカレートの一途をたどる中、欧州ではイタリアの財政問題が再燃し、ドイツ産業は低調。英国が条件などで合意しないまま欧州連合(EU)を離脱する公算も高まっている。

これらすべては見通しの悪化を示しており、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(バンカメメリル)は顧客への報告書で「近く何らかのプラスのニュースが出てこない限り、経済成長率が年内横ばいになるとの見通しは過度に楽観的であることになる」とした。

ただ、欧州連合(EU)統計局が今月15日に発表した第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)改定値は前期比0.4%増と、昨年第4・四半期の0.2%増から加速。[nL4N22R2RG]ECBが経済見通しを修正するとしてもわずかにとどまる公算が大きく、ECBにとって断固とした景気刺激策を温存することの論拠となる。

ただ、特に問題が政治的なものである場合、心理の悪化やマイナスのニュースの波紋が雪だるま式に拡大する影響は見通しに反映されにくいこともある。このためドラギ総裁は来週の記者会見で、ECBには必要に応じて措置を取る用意があることを示し、引き続きハト派的なメッセージを発するとみられている。

モルガン・スタンレーは「下方リスクは通商政策から地政学要因に至るまで多岐にわたっており、経済的というよりもむしろ政治的な性質を帯びている」とし、こうしたことを背景に「ECB理事会はハト派姿勢を示す」との見方を示した。

エコノミストの間ではECBは2021年まで利上げに踏み切らないとの見方が出ており、一部では次の動きは利上げではなく利下げになるとの見方も出ている。ただ現時点では、ECBは新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)以上に踏み込まない公算が大きい。

ロイターが実施したアナリスト調査では、ECBが9月に実施予定の新たな措置「TLTRO3」に適用される金利の予想中央値はマイナス0.20%。レンジはマイナス0.50%─ゼロ%だった。[nL4N237084]

ECBはこのほか、次回利上げの時期についても討議する可能性がある。ただECBの現在のガイダンスは曖昧なため、利上げ時期の見直しは急務ではないとみられている。

このほか、マイナス金利政策の銀行に対する副作用の緩和に向け、中銀預金金利の階層化などの手法が討議される可能性がある。ただ階層化で金利がさらに長期間にわたり低水準にとどまることが示され、利回り曲線が一段と平坦化する可能性がある。そうなると銀行の収益が一段と圧迫されることから、ECBは中銀預金金利の階層化は現時点ではコストが恩恵を上回るとの見解を示す公算が大きい。

結局のところ、ドラギ総裁は「まだ劇的な状況にはなっていないが、ECBは警戒しており、景気支援に向け行動を起こす」とのメッセージを発するとみられる。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below