January 28, 2018 / 1:07 AM / 7 months ago

アングル:ECBのQE縮小、中欧諸国の「資金流出」招くか

[ロンドン 23日 ロイター] - 主要な中東欧諸国の国債市場は、欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和(QE)が一因となり、海外から大量の投資資金が流入した。しかしECBがQEを終了しても相場が大きく崩れることはなさそうだ。

 1月23日、主要な中東欧諸国の国債市場は、欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和(QE)が一因となり、海外から大量の投資資金が流入した。QE終了は資金流出を招くのか。2013年、フランクフルトで撮影(2018年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

中央銀行や債務管理当局のデータによると、ポーランドとチェコの国債の外国人保有額は、ECBが2011年に量的緩和に乗り出す前にはそれぞれ1500億ズロチ(360億ユーロ)、1675億コルナ(66億ユーロ)だった。

その後、ECBが3兆5000億ユーロの量的緩和を実施すると外国人の保有額は急増。ポーランド国債は3割増の2000億ズロチとなり、チェコ国債は7250億コルナに増えた。チェコ国債ではこの間に外国人保有比率が12%から50%強に上昇した。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのグローバル債券部門のマネジングディレクター、ジェレミー・ケーブ氏は「ECBはポーランド、チェコ、ハンガリーの国債を買い入れなかったが、欧州中核国の金利が低いおかげで東欧諸国の経済は好調だった」と述べた。

ECBの量的緩和と外国人投資家の中東欧諸国国債買いには明らかに関連性があるだけに、ECBが年内にも量的緩和を終了すれば中東欧諸国市場から資金が流出する可能性はある。半面、中東欧市場への資金流入はほかにもさまざまな要因が絡んでいる。

HSBCの新興市場ストラテジストのムラート・トプラク氏によると、例えばチェコへの昨年の資金流入の少なくとも半分は、コルナ相場の重しになってきたペッグ(連動)制廃止の思惑が原因だという。

ルーマニアは2014年以降に外国人投資家の国債保有が40%近く増えたが、これは同国のソブリン格付けが引き上げられ、主要な債券指数での組み入れが進んだためだ。

ハンガリーはECBの量的緩和に合わせて国債市場に多額の資金が流入したが、ハンガリー政府が非伝統的な金融政策を導入すると資金が流出した。

HSBCのトプラク氏は「ECB(の量的緩和)と資金流入の間に相関関係を見出すのは非常に難しい。直感的にはあるようにみえたが、データによる裏付けは得られなかった」と述べた。

過去7年に中東欧諸国の債券市場にどこから資金が流入したのかを示す公的なデータはない。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が2016年に公表した試算によると、ユーロ圏の投資家が保有する新興市場国通貨建て債は約4070億ユーロで、ポーランド、ハンガリー、チェコの国債が4分の1を占めた。

ECBが年内に量的緩和を停止すれば、中欧諸国の金利は上昇すると投資家は分かっている。中東欧諸国はユーロ圏経済の回復で成長率とインフレ率が上向いており、既にこうした動きが進みつつある。

チェコ中銀は昨年2度の利上げを実施し、今年は3回程度の利上げが予想されている。ルーマニアは約10年ぶりに利上げし、ポーランドも年来の利上げが予想されている。ハンガリーも2019年には追随しそうだ。

このため金利を重視する投資家が中東欧諸国の国債の保有を増やすのは間違いない。既にポーランドの実質利回りはドイツを200ベーシスポイント(bp)上回っている。

また、金利上昇は既存の外国人債券投資家のリターンを悪化させるが、投資先の国の通貨が上昇すれば金利上昇による悪影響は小さくなる。

中東欧諸国国債が昨年高いリターンを達成したのは、中東欧諸国通貨が対ドルで上昇した効果が大きかった。

昨年ほどではないにしろ、中東欧諸国通貨は今年も対ドルで上昇しており、大手資金運用会社の多くは中東欧諸国債に対してそれほど悲観的ではない。

(Marc Jones記者)

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