[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は15日に臨時理事会を開催し、最近の国債市場の下落について協議する。報道官が明らかにした。
国債利回りは、ECBが9日に一連の利上げを実施する方針を示したことを受けて急上昇しており、ドイツ国債とイタリアなど南欧国債の利回りスプレッドが約2年ぶりの水準に拡大している。
ECB報道官は「市場の現状を協議するため、15日に臨時理事会を開催する」と述べた。
状況に詳しい複数の関係者によると、開催は0900GMT(日本時間午後6時)とされているが、声明の発表については明らかになっていない。
ミラノでの臨時会合の開催は関係者に14日に通知されたが、一部のメンバーは現地での参加を見送った。
前回ECBが臨時会合を開催したのは、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の導入を決めた時だった。
市場ではECBが国債市場の下落を協議していることに安心感が広がった。15日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果も発表され、市場は最大75ベーシスポイント(bp)の利上げを予想している。
臨時会合開催の報道を受け、ユーロは0.5%超上昇し1ドル=1.0487ユーロ。イタリア10年債は22bp下落、イタリアの株価先物は急伸した。
これに先立ち、ドイツ10年債利回りは2014年初め以来の高水準となる1.77%に上昇。イタリア国債利回りは240bp上昇していた。
ECBのシュナーベル専務理事は14日、状況を注視しており、無秩序な金利上昇があれば既存および新たな措置を講じる用意があると発言。ただ、事前に公表する必要はないと述べた。
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