[フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は10日、経営難の銀行が取り付け騒ぎに見舞われるのを防ぐため、一定額を上回るデジタルユーロ保有についてECBは大幅なマイナス金利を適用する可能性があると述べた。
ECBは、紙幣を補完し、フェイスブックの「ディエム」やビットコインといった民間の仮想通貨との競争に対応するため、デジタルユーロの創設を検討している。
しかし銀行や政府が危機に陥った場合、預金者は安全なデジタルユーロ口座に資金を移す可能性があり、銀行の苦境がさらに悪化するとの懸念が出ている。
パネッタ専務理事はストリーミング配信されたディベートで、一定の水準を上回るデジタルユーロについては保有にペナルティーを科すことも考えられると説明。この水準は3000ユーロ前後で設定される可能性があるとした。
一方、この日の別のイベントで、ECBのラガルド総裁はデジタルユーロが今後4年で準備が整うことを期待していると表明した。
ただ、ユーロ圏加盟19カ国の中銀総裁が含まれるECB理事会は、今のところデジタルユーロ計画にゴーサインを出しておらず、一部の中銀当局者は消極的な姿勢を示している。
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