[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は、域内経済とユーロの見通しを見極めるには時間が必要と判断しているため、来週の理事会で資産買い入れを続けるとのガイダンスを取り下げる可能性は低い。3人の関係筋が明らかにした。
ECBは先に、量的緩和に基づく債券買い入れを少なくとも9月まで続け、その後も当面は政策金利を現行の水準で据え置くと表明している。
関係筋によると、ガイダンス見直しは先送りされ、最新の経済見通しが明らかになる3月となる可能性が高い。
関係筋の1人は「政策を変更する前により綿密な分析が必要」と述べた。
ガイダンス見直しを先送りすることで、ドラギ総裁は来週の理事会後の記者会見で、今後の動きの手掛かりを示すことが可能になる。
ECBの広報担当はコメントを避けた。
<ユーロ上昇>
先週公表された昨年12月の理事会議事要旨では、ECBが今年初めに政策メッセージの微調整に着手する可能性が示された。
関係筋はユーロ上昇はユーロ圏経済の強さの証拠だとした上で、議事要旨を受けたユーロ上昇については「投資家の過剰反応」との見解を示した。
第一に、政策メッセージの見直しは経済の改善度合いによるが、ユーロ圏のインフレ率は依然として低下傾向にあり、ECBが目指す2%程度を大きく下回っている。
第二に、現在のユーロ相場はECBが12月時点の予想に盛り込んだ水準を4.5%程度上回っており、政策当局者はユーロ上昇が物価に与える影響を見極める必要がある。ユーロ高は輸出入に影響し、結果としてインフレ率を押し下げる傾向にある。
*内容を追加します。
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