June 4, 2020 / 2:50 PM / a month ago

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は4日の定例理事会で政策金利を予想通り据え置く一方、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への緊急対策として打ち出した債券購入プログラムを拡充した。パンデミックにより、戦後最大のリセッション(景気後退)に陥りかねない域内経済を支援する。

欧州中央銀行(ECB)は4日の定例理事会で政策金利を予想通り据え置く一方、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への緊急対策として打ち出した債券購入プログラムを拡充した。写真はラガルド総裁。3月撮影(2019年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

理事会後のラガルド総裁の記者会見での発言は以下の通り。

<前代未聞の縮小>

ユーロ圏経済は前代未聞の縮小に見舞われている。新型コロナウイルスの感染が拡大し、抑制策が取られた結果、経済活動は急激に減速した。

<緩慢な回復>

感染抑制策が段階的に緩和されるに従い、経済活動に関する調査結果やリアルタイム指標で底入れの兆しは幾分見られている。ただ、こうした指標が下向いたスピードに比べると、改善のスピードは極めて遅い。

<年後半に持ち直し>

6月のスタッフ予想では、今年第2・四半期に経済成長が前例のないペースで落ち込むが、その後は大規模な財政・金融政策対応が下支えとなり、年後半に再び持ち直すと見込んでいる。

<大幅な下方修正>

経済活動や物価見通しを含め、各種予想は大幅な下方修正を伴うが、ベースライン(基本)はかなりの不透明性に覆われている。

<物価圧力は抑制>

総合物価はエネルギー価格安が下押ししているが、実質域内総生産(GDP)の急激な縮小と大幅なスラック(需給の緩み)の拡大により、物価圧力は引き続き抑制される見通し。

<円滑な政策の伝達>

理事会は必要な度合いの金融緩和を確保し、全てのセクターおよび加盟国への金融政策の円滑な伝達を確実にする決意がある。

<労働市場の急激な悪化>

最新の経済指標や調査結果から、ユーロ圏経済の大幅な縮小と労働情勢の急激な悪化が確認できる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と感染抑制策は製造業と非製造業部門双方に深刻な影響を及ぼし、ユーロ圏経済の生産能力と内需に打撃を与えた。

<底入れ>

経済活動が段階的に再開する中、直近の指標は景気が5月に底を打った可能性を示唆している。

<第3・四半期の回復>

新型コロナ感染抑制策の一段の緩和に伴い、好ましい融資環境や拡張的な財政スタンス、世界経済活動の再開に支援され、ユーロ圏の経済活動は第3・四半期に回復する見通しだ。しかし、回復のペースや規模は引き続き極めて不透明だ。

<決定的な要素>

経済の縮小や回復の程度は、感染封じ込めの期間や効果、所得・雇用支援策の成功、さらには供給能力や域内需要への影響がどの程度長引くかによって決定的に左右される。

<リスクは下向き>

全般的に、ベースライン(基本)予測を巡るリスクバランスは下向きと判断される。

<ジャンク債について>

われわれは諸目的のためのパラメータを定義した。

自己実現的な景気循環増幅効果(プロシクリカリティ)は避けたい。

理事会はこの件について討議していない。

<欧州司法裁>

欧州司法裁判所は、公的部門証券買い入れプログラム(PSPP)がECBの政策責務に沿っていると判断しており、ドイツ政府・議会に向けられた裁判所の決定に留意する。

良好な解決策が見つかると確信しているが、それがECBの独立性に支障を来すことはない。

<PEPPの活用>

ECBが有する全ての手段を駆使し、「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を活用できると確信している。経済への信用フローとインフレをコロナ危機前の軌道に戻すことを確実にし、ECBの物価安定目標の達成を可能とする。

<行動は全会一致の見解>

行動すべきというのが理事会の全会一致の見解だ。インフレ見通しと物価安定目標を踏まえ、行動しなくてはならない。

<押し下げられたインフレ期待>

中期的に需要低下がインフレに下向きの圧力を与える。一方、供給面の制約に関連する上向きの圧力はその一部を相殺するにすぎない。市場に基づく長期インフレ期待の指標は押し下げられた水準にとどまっている。

<債券購入拡大の適正規模>

(緊急債券購入策の拡大は)どの程度の規模が適正なのかについては当然、理事会で議論された。その中で、6000億ユーロ増額することにより、徐々に新型コロナ危機前のインフレ見通しにかなり近づくとの結論に達した。今後数カ月でどのように展開していくかを監視し、政策に影響を及ぼすだろう。

経済がどのように回復するのかは第3・四半期にもう少し理解が深まる。さらに数カ月経てばより明確になる。

良好なデータや数値が得られ、より信頼性の高いシナリオや予測が立てられるようになるだろうが、不確実性は依然多い。6000億ユーロの増額によって新型コロナ危機前のインフレ見通しに大きく近づくと信じている。

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