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ECB、大規模緩和「手堅く」継続 景気判断上げでも回復頓挫懸念

[フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は10日に開いた定例理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を予想通りに現行水準に維持することを決定した。景気判断を強める一方、現時点で縮小すれば借り入れコストの上昇につながり、景気回復が頓挫する恐れがあると判断した。政策金利も現行水準に据え置いた。

欧州中央銀行(ECB)は10日に開いた定例理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を予想通りに現行水準に維持することを決定した。写真はECBのロゴ。2020年1月撮影(2021年 ロイター/Ralph Orlowski)

ECBは、PEPPの下での純資産買い入れ規模を少なくとも2022年3月末まで、もしくは新型コロナウイルス感染拡大による危機が収束したと判断されるまで、1兆8500億ユーロに維持すると表明。「PEPPの下、向こう1四半期の純買い入れは、年初からの時期と比べ、引き続きかなり速いペースで実施される」と確認した。

ECBが今四半期に購入したPEPPの資産額はこれまでに800億ユーロ程度と、前四半期の約620億ユーロから拡大している。

ラガルド総裁は理事会後の記者会見で「今後3カ月は季節的要因を含め市場の状況に応じ、PEPPが兼ね備える柔軟性を活かしながら実施していく」と述べた。

さらに「手堅い舵取りが正しい対応と確信している」とした上で、PEPPの出口戦略はいずれ討議されることになるが、現時点での議論は時期尚早と強調した。

また、債券買い入れペースを引き続き「かなり速いペース」で実施するという決定を巡っては異論もあり、全会一致での合意ではなかったにせよ、大多数が支持したと明らかにした。

関係者2人によると、理事会メンバー25人中3人が、成長とインフレ見通しの改善を踏まえ、債券買い入れペースを減速するよう主張。また、市場の流動性が低下する夏の間、資産を購入する上で引き続き柔軟に対応する必要があるという声も上がったという。

こうした中、ECBは今年の域内総生産(GDP)と物価の見通しを上方修正した。ラガルド総裁は、成長に対するリスクが「おおむね均衡している」と述べ、従来の「下向きに傾いている」から判断を強めた。

2021年のGDP成長率は4.6%、22年は4.7%を見込む。これまでの予想はそれぞれ4.0%、4.1%だった。インフレ率は21年が1.9%、22年が1.5%。これまでの予想はそれぞれ1.5%、1.2%だった。

物価について、ラガルド総裁は、今年下半期に一段と上昇した後、一時要因が薄れるに従い、鈍化に向かうと予想。短期的な要因を除いたコアインフレは「わずかに上向いている」ものの、「最終的な目標には程遠い状況で、コロナ禍の収束後に期待されるような状態には至っていない」と述べた。

モルガン・スタンレーは、新型コロナワクチンの普及などに伴い、「次回、金融状況やインフレ見通しが精査される9月には状況がかなり異なっているだろう」とし、「その時点で資産買い入れが縮小される」と予想した。

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