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UPDATE 1-ECBが指針変更、物価の一時的上振れ容認 総裁「デルタ株懸念」

(内容を追加しました。)

[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は22日の理事会で、先行きの政策指針である「フォワードガイダンス」を変更した。今月上旬に打ち出した新戦略に対応するもので、物価の一時的な上振れを容認し、低金利をさらに長期間継続する。また、景気の下支えに向け大規模な金融緩和の継続を約束する一方、インドで最初に検出された感染力の強い新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」が回復のリスクになっていると警告した。

新たな指針では、物価目標を達成するために「持続的な金融緩和」を維持すると確認した上で、「インフレ率が一時的に目標を緩やかに上回る期間も含まれる」と明記した。ECBは先の新戦略でインフレ率の目標を当初の「2%弱」から「2%」に改めた。

さらに、物価目標の達成が「持続的」に確認されるまで利上げは行わないと明言した。従来の指針では、インフレ期待が目標に集約されると確信できるまで金利を現行水準に維持し、その少し前に量的緩和プログラムの下での債券購入を中止するとしていた。

ラガルド総裁は会見で、新たな指針が上下両方向(シンメトリック)に動き得る2%の物価目標を支援すると強調。インフレ率は展望期間の半ばまでに2%へ向かうことが望ましいと語った。指針の変更は圧倒的多数で決定したものの、全会一致ではなかったと認めた。

複数の関係筋によると、指針の表現を巡って25人いる理事会メンバーの多くが当初反対を主張。ラガルド氏は反対派のほとんどを説得したものの、ドイツ連銀のワイトマン総裁とベルギー中銀のウンシュ総裁の2人は頑として譲らなかったという。

<根本的に変わらず>

ピクテ・ウェルス・マネジメントのフレデリック・デュクロゼ氏は新指針について「ECBが従来の枠組みよりもさらに遅い時期に利上げを行うことを示しているが、政策正常化のきっかけとなる基準は根本的に変わっていない」と分析。アバディーン・スタンダード・インベストメンツの投資ディレクター、ジェームズ・アテイ氏は「中身はそのままできれいなリボンをとってつけただけ」と評した。

BNPパリバのチーフエコノミスト、ウィリアム・デ・ビルダー氏は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ期待よりも「平均インフレ目標」に注力していることを踏まえると、ECBの対応はFRBよりも金融緩和の度合いが低いと指摘した。

<デルタ株は回復リスク>

ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)について、現行の規模である1兆8500億ユーロを少なくとも2022年3月末まで継続。さらに、6月に行った資金調達環境およびインフレ見通しの評価を踏まえ、今四半期の資産買い入れは引き続き年初数カ月のペースを大幅に上回る見込みとした。

ラガルド総裁は、インフレ率が高まる一方、上昇の大半は一過性と想定され、中期的なインフレ見通しは引き続き抑制されていると評価。その上で「パンデミックが続く間、経済の全てのセクターに対する良好な資金調達環境を維持する必要があり、これは現在の回復を持続的な拡大に発展させ、パンデミックによるインフレへのマイナスの影響を相殺する上で不可欠だ」と述べた。

同時に「経済の大きな部分の活動が再開されたことで、サービス部門の力強い回復が支援されているが、デルタ変異株の感染拡大に伴い、観光業や接客業を中心にサービス部門の回復が鈍化する恐れがある」と懸念を示した。

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