[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)への出資比率でトップ3のドイツ、フランス、イタリアの中銀総裁は1日、金利見通しについて異なる見解を示した。今月の理事会でECB当局者の政策議論が難航しそうだ。
ユーロ圏では複数の国でインフレが予想外に加速しており、ECBの利上げ観測が高まっている。
タカ派とされるECB理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は、ECBがすでに0.50%ポイントの利上げを実施する意向を示している3月以降も、大幅な利上げが必要になる可能性があると指摘。
「公表済みの3月の金利措置は、最後の措置にはならない。追加の大幅な金利措置が、その後も必要になる可能性さえある」との認識を示した。
一方、中道派のビルロワドガロー仏中銀総裁は、今後の利上げはより緩やかになるとの見方を示し、遅くとも9月までに終了するのが望ましいとした。
ハト派とされるビスコ・イタリア中銀総裁はビルロワドガロー氏に同調し、より緩やかな利上げを支持した上で、物価上昇が減速する初期の兆候が出ていると指摘。
インフレ期待に関するデータはユーロ圏のインフレが高水準にとどまるという見通しに疑問を呈しているとし、段階的な金融政策の正常化を支持する議論が強化される可能性があると述べた。
短期金融市場はECBの中銀預金金利が現在の2.5%から12月に4%のピークに達すると予想し、5月の50ベーシスポイント(bp)利上げに加え、年内にさらなる利上げを織り込んでいる。
ECBは昨年終盤に2桁台に達したインフレ率を目標の2%に戻すため、昨年7月から計300bpの利上げを行っているが、最新のデータではこれが難しい任務であることが示されている。
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