[ローマ 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は、ECBは少なくともあと2回の0.25%ポイントの利上げ実施する必要があると述べた。同時に、ECBは2024年初頭に利下げに転じるとの市場の予測は楽観的すぎるとの考えを示した。
クノット総裁はコリエレ・デラ・セラ、エル・ムンド、ハンデルスブラット、レゼコーの欧州4紙の共同インタビューに応じ、その内容が25日に掲載された。
それによると「6月と7月の利上げは完全に織り込み済みで、ECBのインフレ見通しはこれらの利上げに基づくものになっている。このため、ECBは実施する必要がある」と指摘。「9月以降はオープンマインドで臨む」と述べた。
同時に、金利がピークに達した後、インフレ圧力が根絶されるまでECBは金利を据え置く必要があると指摘。「利下げに関する市場の観測は過度に楽観的だ」と語った。
その上で「ECBは基調インフレに大きく注目しているが、サービス部門のインフレに収束の気配は見えていない」とし、「基調的なインフレ率の有意な反転を確認する必要がある」と述べた。
ECBの政策を巡っては、ナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁が23日、インフレが完全に抑制されるまでECBはあと「数回」利上げする必要があり、その後しばらくは金利を安定させなければならないと発言したほか、ビルロワドガロー仏中央銀行総裁が22日、ECBの政策金利は夏の終わりまでにピークアウトする可能性が高いと述べている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」