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7─9月期実質GDPは年率+4.8%、景気持ち直しを反映=内閣府

 [東京 16日 ロイター] 内閣府が16日発表した2009年7―9月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス1.2%、年率換算プラス4.8%となり、4―6月期の前期比プラス0.7%に続き、2・四半期連続のプラス成長となった。

 11月16日、7─9月期実質GDPは年率+4.8%に。写真は日本、米国、欧州圏のGDP推移を表したグラフ(2009年 ロイター)

 伸び率としては、07年1─3月期(年率プラス5.7%)以来の高いものとなった。この数字を受けて内閣府の津村啓介政務官は「景気の持ち直しの動きを反映したもの」と評価した。

 一方同政務官は、失業率が依然高いこと、物価が弱いことなどから「基調判断は慎重」と述べた。また日銀の金融政策への要望については、現段階では特にないと答えた。 

 ロイターの事前調査では、7―9月期の実質GDPの予測中央値は前期比プラス0.7%、年率プラス2.9%だったが、それを大きく上回った格好。

 一方、名目成長率は前期比マイナス0.1%で、マイナス幅は縮小しつつあるものの、6四半期連続のマイナスとなった。

 内需の寄与度が0.8%、外需が0.4%となり、内外需ともにプラス寄与とバランスの良い形となった。内需寄与度がプラスになるのは、08年1─3月期以来。

 民間消費は前期比プラス0.7%と、2四半期連続のプラスで、津村政務官は、エコカーやエコポイントなどの優遇措置が押し上げに寄与したと説明した。民間住宅は前期比マイナス7.7%と、前期より下落幅は縮小したが、3四半期連続のマイナスとなった。設備投資は前期比プラス1.6%と、6四半期ぶりのプラスに転じた。在庫の寄与度もプラス0.4%と、3四半期ぶりにプラス転換した。

 政府最終消費は前期比プラス0.4%と、2四半期ぶりのプラス。公的資本形成は前期比マイナス1.2%と、5四半期ぶりに低下したが、前年比ではプラス13.1%となっており、同政務官は「引き続きレベルは高い」と指摘した。

 純輸出の寄与度はプラス0.4%と、2四半期連続のプラスとなった。自動車、電子通信機械などが引き続き輸出押し上げに寄与した。一方、輸入増加には、石油、天然ガスなどが寄与したが、同政務官は「国内景気の持ち直しを主因とする前向きな兆候」と評価した。

 GDPデフレーターは前年同期比プラス0.2%と、前期のプラス0.5%から縮小。また国内需要デフレーターは同マイナス2.6%で、過去3番目の大きなマイナス幅となった。民間消費・企業設備・公的資本形成などの各デフレーターが押し下げに寄与した。同政務官はデフレーターの弱さを認めつつも、「この統計だけで、現状デフレと判断するのは危険」と指摘した。

 09年度の残りの各四半期ともゼロ成長だった場合の09年度の成長率は、マイナス2.7%。政府経済見通しの09年度実質成長率(マイナス3.3%程度)は、今後各四半期がマイナス0.9%(年率マイナス3.4%)でも達成が可能となる。前四半期時点では前期比プラス0.3%(年率プラス1.3%)程度の成長が必要とされており、見通し達成のハードルは低くなった。

 統計の発表を受けて、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「予想レンジの上限に達し、強い内容。設備投資がプラスに転じていることが特徴的。在庫調整の進ちょくも押し上げに寄与している。しかし、4―6月や7―9月は政策効果が大きく影響しており、先行きはこうした要因がはく落しそうだ。名目でみれば前期比マイナス0.1%とマイナス圏から脱しておらず、デフレ状況の継続を示唆している。先行き不安に相殺され、市場全体への影響は限定的なものにとどまりそうだ」と述べた。

 大和証券SMBC金融証券研究所・投資戦略部部長の高橋和宏氏は「予想よりも上振れており、ポジティブ・サプライズだ。設備投資などが予想よりも高かった。株式マーケットでは好感されるとみられるが、このところ東京市場はマクロ材料への直接的な反応が鈍く、アジア市場や海外市場で評価されて初めて動く傾向がある。今回も当初の反応は限定的で、海外投資家が評価してからようやく買いが入る可能性があろう」と指摘した。

 (ロイターニュース 児玉 成夫記者、吉川裕子記者)

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