[ヘルシンキ 19日 ロイター] - フィンランド政府は19日、今年の国内総生産(GDP)伸び率の予想を3月に公表したプラス0.4%から、マイナス0.4%に下方修正した。
2014年についても同予想を1.6%から1.2%に引き下げた。
トリプルA格付けのフィンランドはユーロ圏で最も堅固な経済を持つ国の一つとされてきたが、陰りがみえ始めている。今年の第1・四半期には、同国産の紙、機械、船舶への欧州での需要が減退したために、リセッション(景気後退)に入った。
成長見通しの下方修正で、製紙業者を含む伝統的産業の世界での競争力が衰えているという懸念がさらに高まる可能性がある。
先週にはフィンランド国立銀行(中央銀行)が今年の成長率見通しについて、若干のプラス予想をマイナス0.8%に引き下げたばかり。
政府は成長の鈍化はユーロ圏で長引く債務危機のみによって引き起こされているのではなく、伝統的産業がグローバル化や技術変革に対応しきれていないからだという認識を示した。
政府は声明で、「とりわけ工業生産は、循環的・構造的要因によって、大きく低下するだろう」と述べた。
同国の通信機器大手ノキア はスマートフォン事業で、韓国のサムスン電子 や米アップル に出遅れ、追随できずに苦戦している。
同国の製紙業は、消費者と広告主のインターネット志向が高まる中、印刷業者からの需要低迷にあえいでいる。欧州第2の製紙会社ストラ・エンソは18日、2500人の人員削減を発表したばかり。
成長見通しを発表した財務省は、景気の見通しが弱くなったことで、財政についてもより注意を払う必要があると述べた。財務省は公的債務の対GDP比率が2015年に59.9%と、今年見通しの57.1%から拡大すると予想している。
ユーロ圏加盟国は債務の対GDP比率を60%以下にすることを求められているが、これを満たしている国はほとんどない。