[シドニー 27日 ロイター] - オーストラリアのシドニー大学が150年前に入手した2500年前のエジプトの棺に、ミイラの一部が入っているのが発見され、古代エジプトの謎に迫る好機と期待されている。
棺はこれまで空とされていたが、最近になって科学者が蓋を開けたところ、ミイラの残骸が見つかったという。完全な状態のミイラは通常解体されることがないため、今回の骨などの発見で、ミイラを検証する貴重な機会が生まれる可能性がある。
シドニー大学ニコルソン博物館のキュレーター、ジャミー・フレーザー氏は「これらの骨から、この人物の食事、病歴、生活様式を検証し、どのように生き、どのように死亡したかを問うことができる」と語った。
棺のヒエログリフによると、納棺されたのは、エジプト人が統治した最後の時代である紀元前600年に神殿に使えていた女性聖職者。フレーザー氏は「ヒエログリフから、この女性はシシの頭の女神であるセクメトの神殿に使えていたことが分かる。ヒエログリフとミイラ処理の方法、および棺の様式から、神殿がどのような役割を果たしたかをある程度判断する手掛かりを得られる」と述べた。