December 14, 2014 / 12:51 PM / 5 years ago

衆院選は自公が圧勝:識者はこうみる

[東京 14日 ロイター] - 第47回衆院選が14日に投開票され、自民、公明の連立与党が圧勝する勢いとなっている。国内メディアの出口調査では、両党で衆院の3分の2を上回る可能性がある。市場関係者の見方は以下の通り。

 12月14日、第47回衆院選が14日に投開票され、自民、公明の連立与党が圧勝する勢いとなっている。写真は13日、選挙戦の最終日に都内で選挙演説をする安倍晋三首相(2014年 ロイター/Thomas Peter)

<SMBC日興証券 金融財政アナリスト 末澤豪謙氏>

各報道機関による出口調査によると、自民党、公明党の与党が衆院定数の3分の2に迫る勢いとなった。一時的にはアベノミクスへの信任が得られたということで、週明けは株高・円安で始まりそうだ。本来は長期金利に上昇圧力がかかることになるが、日銀の異次元緩和の持続性が高まったことで、超低位の安定が続くと思われる。

ただ、投票率が過去最低になった可能性が高いことは、構造改革となる「第3の矢」を進めていくうえで不透明要因として残り、今後の安倍政権の実効性が注目され、来年に向けた経済・金融市場の動向のカギになるだろう。

<高木証券 投資情報部長 勇崎聡氏>

民放の出口調査では自民単独で294議席と、事前に300を超えると言われていただけに、予想より低めという気はしなくもない。ただ、自公で3分の2以上を確保する可能性が高いということで、そうなれば政権基盤は安定するということになる。自民の獲得議席が公示前から20─30議席減れば別だが、1議席ぐらいの減小であれば、海外投資家の目からみても政界の勢力が大きく変わったとはならないのではないか。この選挙が市場にマイナスになるということはないとみている。

もっとも前週末に米国株式市場でダウが300ドル以上下落しており、翌日の東京市場はそちらの影響を受けそうだ。ただシカゴの日経平均先物(円建て)は1万7100円台となっており、これを見る限り下値は堅い印象がある。日経平均は目先で1万7000─8000円の範囲での推移となるだろう。先週初めにつけた1万8000円台が選挙の予想を織り込んだ水準として、海外要因が落ち着けば、1万8000円には戻ってくるとみている。

<岡三証券 日本株式戦略グループ長 石黒英之氏>

アベノミクスは中小企業や投資をしていない個人などにとって逆風とされ、水物である選挙結果に一抹の不安感はあったが、自公で3分の2以上を確保する見通しとふたを開ければ圧勝となった。投票率が前回から低下する公算が大きく、アベノミクスが全国民から信任されたとは言えないものの、客観的にみて与党圧勝は株式市場に追い風であることに変わりはない。今回の選挙で安倍政権が求心力を高め、目先は補正予算など景気悪化に歯止めをかける経済対策を一段と推し進めると期待している。

一方、米国株が大幅安になるなど不安定な外部環境は東京市場に逆風だ。選挙結果を受け、政権安定化を好感する海外年金など中長期マネーの流入が期待される一方、原油価格の急ピッチな下げを背景にヘッジファンドなどが換金売りを出しており、株式市場は、短期的には下押し圧力がかかりやすい。自公圧勝でも週明けは売り先行で始まりそうだ。

もっとも、押し目では国内年金などの買いが入りやすいとみられ、日経平均1万7000円を大きく割ることは想定しづらい。原油安が継続する中、16─17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを急ぐスタンスは出し切れないとみており、これをきっかけに外部環境が落ち着きを取り戻す可能性があるとみている。

<ニッセイ基礎研究所 シニアエコノミスト 上野剛志氏>

与党の大勝なのか、野党の大敗なのか、見方が割れるところではあるが、ひとまずアベノミクスが信任されたとみていいのではないか。安倍政権は株価を重視しているため、短期的には株高・円安にとって追い風になる。ただ、それはあくまで短期的なイベントとしての評価にすぎない。中期的には、日本が構造的に変われるかどうかを、投資家は見極めようとしている。

これまでのところ、アベノミクスは第1、第2の矢に頼りすぎた面がある。来年以降は、どれほど第3の矢が進められ、経済の足腰が高められるかが、引き続き焦点になる。特区や女性活用の関連法成立や、農業・医療分野の岩盤規制緩和が、試金石になる。財政再建は不可避のため、その痛みを少しでも抑えるため潜在成長率の引き上げが必要だ。

議席が十分に確保できれば、安倍晋三首相はリーダーシップがとりやすくなるだろう。今後は本気度が問われそうだ。日本が変われないと市場に判断されれば、失望の株売り・円買い戻しという展開もあり得るだろう。

来年の金融市場は、これまで金融緩和一本やりだった米国が約10年ぶりに利上げを開始し、金融引き締めの転換点を迎えるため、不確実性が高まりそうだ。日米の金融政策の方向性の違いは明確なため、ドル高/円安は間違いないが、一本調子の上げ相場という訳にはいかない。とりわけ、自民党の総裁選に影響を与えやすい統一地方選のある4月にかけては、円安けん制発言も出やすく、相場はより不安定になるかもしれない。

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