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アングル:人民元、貿易相手国通貨に対して下落 アジア諸国と今後火種に

[ロンドン 23日 ロイター] - 中国の通貨、人民元の相場は2016年に入って徐々に下落しているが、この事実はあまり気付かれていない。それは、人民元が下落しているのは貿易相手国通貨に対してであり、ドルに対してではないからだ。

 3月23日、中国の通貨、人民元の相場は2016年に入って徐々に下落しているが、この事実はあまり気付かれていない。写真は北京で2日撮影(2016年 ロイター/Damir Sagolj)

新興国通貨は2016年、幅広く上昇。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを落とすとの見方が強まりドルが弱含んだ1月末以降、新興国通貨の上昇が加速した。人民元は今年、対ドルで横ばいだ。

ところが人民元相場は今年、名目実効為替レート(NEER)、もしくは貿易加重で見ると、およそ3%も下落している。一方、ほかの新興国通貨は、大半がこの貿易加重ベースで上昇しており、ロシア・ルーブルなど一部の新興国通貨は、貿易加重の上昇率が7%近くにまで達している。

ゴールドマン・サックスの新興市場調査担当マネジングディレクター、カマクシャ・トリベディ氏は「(人民元は)今年、貿易加重ベースで最も下落した通貨の1つだ。あまり気付かれていないが、中国はこの機会を利用して元を下落させ続けており、注目に値する」と述べた。

<人民元、貿易相手国通貨に対して3%近く下落>

貿易加重ベースでの人民元安は、他のアジアや新興国にとって懸念要因になる可能性がある。中国との貿易量が多いのは、米国とドイツに次いで、日本、豪州、香港、マレーシア、台湾、ブラジル、ロシアだ。

しかし、人民元の下落が通貨安競争への警戒感を引き起こした昨年とは違い、このたびの下落については、他国はあまり反応していない。

UBSのストラテジスト、マニク・ナライン氏は「市場は人民元の対ドル基準値にとらわれている。一方で中国は、市場を動揺させたり、資本流出を加速させることなく、通貨安を達成している」と指摘した。

ナライン氏は、人民元の下落が続けば、中国のアジアの貿易相手国は警戒感を強めるだろうと指摘。アジア諸国は対抗策として、介入や利下げを通じて、自国通貨の上昇を抑制しようとするとの見方を示した。

*新興国通貨の貿易加重、および対ドルでの変動率は以下の通り。

Sujata Rao記者、Vincent Flasseur記者 翻訳:吉川彩 編集:吉瀬邦彦

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