March 6, 2020 / 6:49 AM / a month ago

アングル:新興国通貨、先進国利下げと新型ウイルスの板挟みに

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 新興国通貨に投資する市場関係者が、矛盾するシグナルに頭を悩ませている。

 3月5日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米連邦準備理事会(FRB)など先進国の中銀が利下げに踏み切ったのは新興国通貨の支援材料と受け止められているが、その一方で、新型ウイルスは新興国の経済を直撃している。写真はインドルピー。2015年5月撮影(2020年 ロイター/Amit Dave)

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、米連邦準備理事会(FRB)など先進国の中銀が利下げに踏み切ったのは、新興国通貨の支援材料と受け止められているが、その一方で、新型ウイルスは新興国の経済を直撃している。

MSCI国際新興国市場通貨インデックスは、FRB、豪中銀など先進国の中銀が利下げに踏み切ったことを受けて、ここ数日で今年の下落分の一部を取り戻したが、年初の水準は依然として2%以上下回っている。

先進国の金利低下は、低金利通貨で資金を借りて高金利通貨に投資するキャリー取引を促すため、新興国通貨にとってはプラスの材料と考えられることが多い。

ただ、新型ウイルスの感染拡大が米欧経済の重しになるとの警戒感は強く、一部の投資家は新興国通貨への投資は時期尚早ではないかと指摘している。

国際金融協会(IIF)のデータによると、新興国市場への2月のポートフォリオ投資は34億ドルと、前月比で90%近く落ち込んだ。

クレディ・スイスの算出した新興国15通貨のリターン指標によると、キャリー取引のリターンは昨年6.1%のプラスだったが、1月31日以降2%低下している。

新型ウイルスに伴う世界経済の不透明感が続けば、キャリー取引を見送る投資家が増えることも考えられる。

BNPアセット・マネジメントの為替部門トップ、Momtchil Pojarliev氏は「新興国市場のキャリー取引は若干増えているが、新型ウイルスが経済成長に及ぼす影響は非常に不透明で、リスクの高い通貨をロングにしたいと考える投資家は少ないだろう」と述べた。

同氏は新型ウイルスの感染が拡大する前に新興国市場から手を引き、現在はドルと円が他の通貨に対して上昇すると予想している。

一部の新興国通貨は、最近の米国株下落に匹敵する大幅な下げを演じている。ブラジルレアルは年初から13%以上下落。チリペソと南アランドも大きく値下がりしている。この3カ国は他の新興国同様、中国に大量のコモディティーを輸出している。

ステート・ストリートの新興国市場ストラテジスト、エミリー・ワイス氏は「当然、景気後退を懸念している。こうしたリスクオフ環境ではキャリー取引に魅力は感じない」と述べた。

新興国の中銀が、景気減速に対応するため、利下げに乗り出す可能性もある。これは利回り格差の縮小につながるため、新興国通貨の圧迫要因になりかねない。

キャピタル・エコノミクスの新興市場担当エコノミスト、エドワード・グロソップ氏は、アジア新興国の大半が利下げを継続すると予想。ブラジル、インド、メキシコ、ポーランド、南アについても追加利下げを見込んでいる。

マレーシア中銀は3月に政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ2.5%とした。今年の利下げ幅は50bpに達している。

インド中銀も今週、新型ウイルスに対応して適切な措置を講じる用意があると表明しており、アナリストは利下げも選択肢になるのではないかと指摘している。

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