[ロンドン 16日 ロイター] - 欧州復興開発銀行(EBRD)は16日、欧州新興国や中央アジア、北アフリカ地域の経済報告書を公表し、これらの地域のインフレは既にピークに達したが、今後冬にかけてガス価格の上昇が見込まれ、家計を圧迫するとの見通しを示した。
EBRDによると、カザフスタンからハンガリー、チュニジアまで約40カ国をカバーする調査対象地域の消費者物価上昇率は昨年10月の17.5%をピークに3月には14.3%まで低下した。
インフレ見通し軟化を受けて一部の中央銀行は政策金利を引き下げたが、EBRDは多くの人々にとり引き続き家計が圧迫されていると指摘した。
EBRDのチーフエコノミスト、ベアタ・ジャボォルチク氏は、新型コロナウイルスとウクライナ戦争に言及し、「特に貧しい国では家計が一連の危機により打撃を受けている」とし、「市場はこの秋から冬にかけてのエネルギー価格の上昇を予想している」と語った。
欧州のガス価格は2017─21年の平均水準を引き続き上回っており、米国のガス価格も大幅に上回っている。
EBRDは、調査対象地域の半数以上の世帯が毎回の給料でどうにか生活している状態だと説明した。調査は昨年10月から4月に世界銀行と共同で実施された。
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