July 3, 2018 / 2:10 AM / 12 days ago

アングル:沈む新興国市場、上期の「苦境」脱出できるか

[ロンドン 29日 ロイター] - 新興国市場は今年上半期にドル高と通商紛争激化の直撃を食らい、株式、通貨、債券が軒並み下落する惨状を呈した。ただ、新興国の基礎的諸条件は全般的に堅調なため、ドル高の勢いがしぼみさえすれば苦境は一時的なもので終わりそうだと市場関係者はみている。

 6月29日、新興国市場は今年上半期にドル高と通商紛争激化の直撃を食らい、株式、通貨、債券が軒並み下落する惨状を呈した。写真はブエノスアイレスの証券取引所で2017年撮影(2018年 ロイター/Marcos Brindicci)

新興国通貨で最も下げがきつかったのはアルゼンチンペソとトルコリラで、対ドルの下落率は30%、17%に達した。 ブラジルレアルと南アフリカランドもそれぞれ14%と11%程度下げた。

債券市場も痛みを被った。新興国債券は今年上半期に現地通貨建てが6%、ドル建てが5%のそれぞれマイナス。昨年は通年で14.2%、9%のプラスだった。

新興市場国債券ファンドは年初から6月25日までに約94億2000万ドルの資金が流出。昨年上期の439億ドルの流入から流出に転じた。

MSCI新興国株式指数は年初来が8%程度の下落。これに対して世界全体の株価指数は横ばいとなっている。

トルコの主要株価指数はドル建てベースの年初来の下落率が32%程度と、MSCI指数を構成する24カ国で最悪だ。フィリピン株も約24%下げ、株式市場からは2月1日から6月20日までに約12億ドルの資金が流出した。南ア株は経済指標の悪化や、国営電力会社エスコムの賃上げを巡る労使紛争による停電などの影響で20%程度下落。さらにブラジルやインドネシアでも株式市場が下落した。

ただEPFRグローバルの集計によると、新興国株式ファンドは年初来でなおプラスを維持しており、年初来の資金動向も502億ドルの流入と昨年上半期の流入額の423億ドルを上回っている。

NNインベストメント・パートナーズのチーフ・インベストメント・オフィサー、Valentijn van Nieuwenhuijzen氏は「米国の利上げ、ドル高、原油高、貿易紛争への懸念の高まりなどが組み合わさり、新興国資産離れが進んだ」と指摘。その上で「今のところ、新興国市場で成長の持続的な落ち込みや継続的な新興国資産売りが本当に始まるとは見込んでいない」と述べた。

注目を集めているのはドルの今後の動きだと話すのは、ロンバー・オディエ・インベストメント・マネジメントの首席投資ストラテジストのサルマン・アーメド氏。「新興国の基礎的諸条件は強固になっており、2013年や14年よりも速いペースでの回復が可能だ。ただ、投資家が新興国のファンダメンタルズに再び注目するようになるには、通商紛争問題やドル高圧力が一服する必要がある」とした。

 6月29日、新興国市場は今年上半期にドル高と通商紛争激化の直撃を食らい、株式、通貨、債券が軒並み下落する惨状を呈した。写真は2015年、ブエノスアイレスの金融街で撮影(2018年 ロイター/Marcos Brindicci)

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