November 23, 2019 / 4:54 AM / 15 days ago

アングル:広がる「カーボンオフセット」、CO2は削減できるか

[ロンドン 19日 ロイター] - 二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を排出削減への投資活動で相殺しようとする「カーボンオフセット」。2021年に「国際民間航空のためのカーボンオフセット及び削減スキーム(CORSIA)」が開始することで、この手法の導入が大きく広がりそうだ。

 11月19日、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を排出削減への投資活動で相殺しようとする「カーボンオフセット」。2021年に「国際民間航空のためのカーボンオフセット及び削減スキーム(CORSIA)」が開始することで、この手法の導入が大きく広がりそうだ。写真は14日、独ベルリンの空港に駐機するイージージェット機(2019年 ロイター/Fabrizio Bensch)

英格安航空会社イージージェットは19日、運航便すべてをカーボンオフセットの対象にすると発表した。

米金融シティのアナリストによると、航空便を対象とするカーボンオフセットの世界市場規模は2025年までに年間38億ドルに達する見通しだ。世界の温室効果ガス排出量のうち航空業界が排出するのは約2%。ただし環境団体は、航空業界がカーボンオフセットを使って金をあまりかけずに問題を処理して済まそうとしていると批判する。

<カーボンオフセットとは>

地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの排出量に見合う金額を排出削減への取り組みに投資することで一部埋め合わせる手法だ。

国連の「クリーン開発メカニズム(CDM)」が、1997年の京都議定書に基づいて制定された初の本格的な排出量相殺の仕組み。発展途上国での排出量削減プロジェクトの資金調達を支援するとともに、資金を提供する側の先進国には排出量削減に充当できるクレジットを提供する。

<どのようなプロジェクトが対象になるか>

CDMにはこれまでに111カ国で8100件余りのプロジェクトが登録され、認定排出削減量(CER)と呼ばれる20億ドル超相当のクレジットが発行された。このクレジットにより20億トン相当の二酸化炭素が削減されたと認められたことになる。

CDMに登録されたプロジェクトは、発電のため豚の糞尿からメタンガスを取り出して利用する事業から、木材や石炭を燃料とする調理用コンロをエタノールなど、より環境に配慮した燃料に置き換える事業まで多岐にわたる。

<二酸化炭素の吸収>

発展途上国は「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減(REDD)」により、カーボンオフセット用のクレジットを獲得できる。途上国はこれを売却して、森林を保全・回復するプロジェクトに必要な資金を確保できる。

また新たな植林事業や自然環境の保全事業も、樹木の生長に伴って二酸化炭素を吸収するためカーボンオフセットの対象となる。

REDDや森林事業のカーボンオフセットは非営利団体「Verra」といったカーボンオフセット基準団体が認定する。

カーボンオフセットで最も厳しい認定基準の「ゴールドスタンダード」は、温室効果ガスを削減した実績だけでなく、持続可能な目標を満たしていることも示さなければならない。ゴールドスタンダードは世界自然保護基金(WWF)などの非政府組織(NGO)が設定している。

<機能するか?>

カーボンオフセットの提唱者たちは、気候変動対策に必要な資金を発展途上国に供給できるとしている。

一方、排出量が相殺されていくことで温暖化減速に必要な抜本的な削減の動機が弱まる上、新たに植えられた樹木が想定ほど速く成長しないなど、常に意図した効果が得られるわけではないと批判する声もある。

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