[12月8日 ロイター] - 夕飯は何にしよう。レゴでできたお寿司か、クレジットカードでできたハンバーガー、それともウェルダンに調理したポリ塩化の管はどうだろう──。
こうした例えは極端に思えるかもしれない。だが、私たちが毎日体内に取り込んでいる極めて小さなプラスチックの累積量は簡単にこれぐらいの量になり得る。
世界自然保護基金(WWF)インターナショナルの2019年の調査によると、私たちが1週間に摂取するプラスチックの量はクレジットカード1枚分に相当する。摂取の経路は主にプラスチック粒子が混入した飲料水によるものだが、他にも貝類のようにほぼ丸ごと食べる食材は、その消化器系に残留しているプラスチックも取り込むことになる。
ロイターはこの調査を基に、様々な期間のプラスチック摂取量を把握しやすくするため、実際のものを使って可視化してみた。
私たちが1カ月で摂取する量はレゴのブロック1個分、1年では消防隊員のヘルメットにそれぞれ相当する。
大量ではないように聞こえるかもしれないが、こうしたプラスチックは増えていく。このままのペースでは、10年間に摂取する量は2.5キロに達する可能性があり、これは大きなプラスチック管2本以上に相当する。
そして一生のうちに約20キロのマイクロプラスチックを摂取することになる。
安価な使い捨て製品の普及に伴い、プラスチックの生産は過去50年で急増した。プラスチックは生分解されず、細かい破片になり、最終的には至るところに散らばっていく。海岸に散乱し海生生物を窒息させ、また食物連鎖にも影響を与える。
英サウサンプトン大学の環境科学教授マルコム・ハドソン氏は、イングランド南部の塩性湿地で小粒になったビーズ状のプラスチックごみをロイターに見せてくれた。
ハドソン氏によると、マイクロプラスチックに関する研究は多いものの、さらに小さい「ナノプラスチック」と呼ばれる、検出がはるかに困難な物質が環境の中に増えており、人間の体内にも摂取されているとみられる。同氏は「血液やリンパ系を通過して、私たちの臓器に達する可能性がある」と述べた。
「こうしたプラスチック粒子は、野生生物と人間によって吸収され、有害な結果をもたらすことができるほどに小さくなるのを待っているような『時限爆弾』だ」
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