[ブリュッセル 24日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のティエリー・ブルトン委員(域内市場・産業・デジタル単一市場担当)は24日、欧州委と米アルファベットは人工知能(AI)技術を管理する規則の制定に先立ち、欧州域内外の企業が関与するAI協定の策定を目指すと発表した。
アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)との会談後の声明で「AI規制が実際に適用されるようになるまで待つ余裕はないとの意見で一致したほか、法的期限に先立ってすでに自発的にAI協定の策定に取り組んでいる全てのAI開発企業と協力することで合意した」と指摘。さらにEU諸国と欧州議会に対し、欧州委が提案したAI規則の詳細を年内に確定するよう要請したと述べた。
同じくピチャイCEOと会談したベステアー欧州委員(競争政策担当)はともに行動する必要性を強調。ツイッターで「AI法が一刻も早く必要だ。しかし、AI技術は極端なスピードで進化する。そのため、今すぐAIの普遍的な規則に関する自発的な合意が必要だ」と述べた。
欧州委員会のヴェラ・ジュロヴァ副委員長は、アルファベット傘下のグーグル製品・サービスにおける親ロシア的戦争プロパガンダおよび偽情報の拡散、EUや各国の選挙における偽情報のリスクについてピチャイ氏に対し懸念を伝えたことを明らかにした。ピチャイ氏は、ロシアの独立系メディアがユーチューブでロシア国内のコンテンツを収益化する際に発生する問題を調査することに同意したという。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」