May 14, 2019 / 12:40 AM / 3 months ago

アングル:EU、自動車の追加関税巡る対米貿易戦争に身構え

[ブリュッセル 10日 ロイター] - トランプ米大統領は来週、自動車・自動車部品に追加関税を発動するかどうかの決断を下す。発動は見送られるとの見方が強いものの、米国は10日に中国への関税を引き上げたばかりとあって、欧州連合(EU)は身構えている。

 5月10日、トランプ米大統領は来週、自動車・自動車部品に追加関税を発動するかどうかの決断を下す。写真はドイツの港湾に並んだフォルクスワーゲン製自動車。2018年撮影(2019年 ロイター/Fabian Bimmer)

トランプ氏は2月に通商拡大法232条に基づく自動車関税報告書を商務省から受け取っており、これに基づく90日の検討期間が18日に終わる。報告書は、自動車・自動車部品の輸入が国家安全保障にリスクをもたらしていると結論付ける内容だったとの見方が強い。

<EU内にも亀裂>

自動車・自動車部品に追加関税が発動されれば、EUは470億ユーロ(530億ドル)相当の輸出が影響を受ける見通し。自動車業界は、トランプ氏が発動を半年間先送りすると予想しているが、その場合でも、同氏はEUおよび日本との交渉が決裂した際に追加関税を発動する期日を示す可能性がある。

対米交渉に関わっているEU高官は「トランプ大統領は、実際に関税を課すと米国内に多大な影響が及ぶため、脅しだけに留める方が得策だと理解するだろう」と語る。

EUは以前、トランプ氏から脅迫されながら通商交渉を行いたくないとの姿勢だったが、自動車関税をちらつかされ、先月に正式な通商交渉を始めることで合意した。工業製品の関税撤廃などを目指すもので、米国が新たな保護主義的政策を打ち出せば、交渉を打ち切って米国製品200億ユーロ相当に関税を課すとしている。

とはいえ、自動車の輸出大国であるドイツが交渉の早期開始を主張しているのに対し、フランスは反対しており、EU内でも意見は分かれている。

ブリュッセルのシンクタンク、欧州政策センターのアナリスト、Johan Bjerkem氏は、トランプ氏が自動車の追加関税発動を決めれば、EU内の亀裂は修復すると予想。「EUは今、各国ごとにプレッシャーの感じ方に濃淡があるため、意見が分かれがちかもしれない。しかしいったんトランプ氏が発動を決めれば、彼のカードは弱くなる」と解説した。

またEUは23─26日に欧州議会選を控えており、政治家は通常以上に米国に対抗することを迫られている。

<報復合戦には至らず>

EUの通商担当者らは今週ワシントン入りしており、米国との交渉を開始する可能性について協議する。ただ、農産物を交渉に含めるという米国の要求には応じない姿勢だ。

今のところ、EUと米国の間で報復合戦は起こっていない。

欧州は今、国家助成と強制的な技術移転を制限するための国際貿易ルールの改定についても、米国および日本と協議している。これは明らかに中国を標的とした措置だ。

米国が自動車追加関税を発動したからといって、EUが突然中国の肩を持つことはないとしても、協議に水を差すことにはなる、とシンクタンク、ブリューゲルのガントラム・ウォルフ氏は言う。「つまりトランプ氏は、今よりEUの協力を得にくくなり、自分の首を絞めることになるだろう」

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