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伊銀モンテ・パスキ、コア資本比率マイナスも=EU健全性審査

[ロンドン 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州銀行監督機構(EBA)が域内銀行に実施したストレステスト(健全性審査)で、イタリアの銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)のコア資本比率がマイナスに陥る可能性があることが分かった。長期的な経営難が要因という。

FILE PHOTO: The entrance to Italian bank Monte Dei Paschi di Siena is seen in San Gusme near Siena, Italy, September 29, 2016. REUTERS/Stefano Rellandini/File Photo

2023年までの3年間を対象とする、新型コロナウイルスの影響長期化を想定した最も厳しいシナリオで、モンテ・パスキのリスク加重資産に対する自己資本のコア比率はマイナス0.1%となった。モンテ・パスキ買収を巡り政府と独占的な交渉を進めているイタリアの同業ウニクレディトのコア資本比率は9.59%だった。

モンテ・パスキによると、25億ユーロの増資を行った場合のコア資本比率は6.6%になるという。世界最古の銀行である同行は5年前のストレステストでも域内で自己資本比率が最低となっており、同行の抱える根深い問題が解消されていない可能性を示した。

ストレステストの対象となった上位50行のコア資本比率(総計)は、最も厳しいシナリオ下で15%から10.2%に低下した。この50行で域内の銀行資産の7割を占める。経済ショック時に自己資本が2650億ユーロ(3147億ドル)目減りする計算だが、それでも資本バッファーの3分の2が残る。

モンテ・パスキ以外のイタリアの銀行も、コア資本比率が全体の総計である10%に達しなかった。

モンテ・パスキに続いて自己資本比率が低かったのは英HSBCのフランス事業で、5.91%だった。HSBCは6月、同事業を投資会社サーベラスが出資する「マイ・マネー・グループ」に売却することで合意している。

一方、スウェーデンの銀行は軒並み、コア資本比率が10%を上回った。

コンサルタント会社アルバレス&マーサルによると、フランスのクレディ・アグリコルとBPCE、オランダのINGの資本バッファーが最も大きく、配当や自社株買いなど株主への還元余地が大きいという。

最も厳しいシナリオ下でのドイツ銀行とソシエテ・ジェネラルのコア資本比率はそれぞれ7.56%と7.73%と平均を下回った。BNPパリバは8.28%、コメルツバンクは8.52%だった。

ドイツ銀のジェームズ・フォンモルトケ最高財務責任者(CFO)は2021年上期の好調な利益の伸びが今回のストレステストには反映されていないことを踏まえれば、勇気付けられる結果だと述べた。

スペインの銀行は、4行のうち1行だけがコア資本比率が10%を上回った。

ストレステストは昨年に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。コロナ禍で自己資本保全のため配当支払いを禁止されていた銀行が配当を再開する上で、今回の結果が重要になる。

コンサル会社のオリバー・ワイマンのパートナー、ザビエル・ガルシア氏は「コロナ以降、銀行の相対的な資産の質の可視性について問題があったが、今回のストレステストで業界全体の透明性が高まる」と指摘した。

ECBは、ストレステストによって、ユーロ圏の銀行システムが厳しいマクロ経済シナリオに対する耐性があることが示されたと評価した。

EUはストレステストで合格・不合格の判定は行わないが、結果はECBが銀行の資本要件を決める際に使われる。

ストレステストではまた、英国が昨年末にEUを完全離脱したため、英国の銀行が初めて除外された。

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