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EU、ガス価格上限巡り異論噴出 賛成派も「高すぎる」と不満

[ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が提案したガス価格上限を巡り、上限設定の賛成派からも反対派からも異論が噴出し、24日のエネルギー相会合での合意は難しい状況となっている。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が提案したガス価格上限を巡り、上限設定の賛成派からも反対派からも異論が噴出している。3月撮影(2022年 ロイター/Wolfgang Rattay)

欧州委は22日、欧州における天然ガス取引の指標となるオランダTTFのガス価格上限を1メガワット時(MWh)当たり275ユーロ(282ドル)に設定することを提案した。

この上限は、TTFの期近物が2週間にわたり275ユーロ/MWhを超え、かつ10営業日連続して液化天然ガス(LNG)の世界基準価格より58ユーロ高い場合に発動される。

TTFの期近物 は、22日に欧州委が提案を発表して以降上昇したものの、130ユーロ/MWh付近で推移している。昨年8月のピーク時には340ユーロ超を付けていた。

ただ欧州委の提案にある発動条件は、昨年8月時点でも満たしていなかった。このため、上限設定の賛成派からも提案は有名無実との批判が相次いでいる。

ポーランドのモラウィエツキ首相は、この水準は「非常に高い」と指摘した。別のEU外交筋も「上限として機能しない上限だ」と述べた。

スペインのサンチェス首相も「これが選択肢なら、われわれは正しい道を歩んでいない」としたほか、イタリアのエネルギー相も高すぎるとの認識を示している。

ギリシャの半国営通信社アテネ通信は、同国エネルギー相の発言として、上限価格は150─200ユーロ/MWhとすることを望んでいると報じた。

コンサルティングのユーロインテリジェンスは、欧州委の提案した上限は「明らかに使用されないように設計されている。言い換えれば、実際に上限を設けることを意図していない」ことを意味するとの見方を示した。

EU内では、15カ国が上限設定を求めている。このうちベルギー、ポーランド、イタリア、ギリシャは、提案に過剰な価格高騰を防ぐための実行可能な計画が含まれなければ、24日の会合で他のエネルギー対策にも反対する構えを見せている。

一方、EU最大の経済大国であるドイツなどは上限設定に反対。オランダ、スウェーデン、フィンランドとともに、上限を設けると供給業者が欧州以外に販売するようになり、ガス消費量を減らすインセンティブが失われると主張している。

こうした懸念を払拭するため、欧州委員は、世界のLNG価格を追跡することにより供給者が欧州への販売を継続できるようにするとしている。また上限が設定された場合、EU域内ではガスの節約を義務付けることを提案している。

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