[ブリュッセル 11日 ロイター] - 欧州委員会の助言機関である欧州財政委員会(EFB)は11日、欧州連合(EU)の複雑な財政ルールの大幅な簡素化を提案した。公的財政をより持続可能なものとしつつ、景気動向にかかわらず経済を安定させることを目指す。
提案は、14日にヘルシンキで行われるEU財務相による非公式会合で議題とされ、年末の欧州委による財政ルール見直しに反映される予定。
EFBは、現行の複雑な財政ルールは、公的債務の中期的上限のみに絞るべきだと提案。現在、EU条約はこの上限を国内総生産(GDP)比で60%と設定している。
この上限を超える加盟国は、歳出から公的債務利払い費を差し引いたプライマリー支出の伸び率をGDP伸び率と同等かそれ以下に抑え、インフレ高進を防ぐ必要がある。
EFBは報告書で「提案した改革により、ルールを複雑にしていた原因の多くが取り払われる」としている。
EFBはまた、財政ルールに違反した国に制裁を科して順守を求める現行制度よりも、インセンティブを用いる方が良いと提案。これまでのところ、ルールに違反したケースは多々あるものの、実際に制裁が適用された国はない。