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EU、10日の財務相理事会で財政ルール改革議論開始へ

[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)は10日の財務相理事会で、財政ルールの「安定成長協定」改革に向けた議論を開始する。

 9月8日、 欧州連合(EU)は10日の財務相理事会で、財政ルールの「安定成長協定」改革に向けた議論を開始する。ブリュッセルの欧州委員会本部で2019年4月撮影(2022年 ロイター/Yves Herman)

欧州各国は過去2年にわたって新型コロナウイルスのパンデミックで打撃を受けた経済の下支えや、気候変動対応で多額の債務を背負ってきた。さらにロシアのウクライナ侵攻をきっかけとしたエネルギー価格高騰とインフレに加え、域内の景気後退(リセッション)も迫ってきたため、一段と大規模な財政支出が必要だ。

一方、安定成長協定はこれまで何度も修正を経てきたとはいえ、基本的には欧州経済が順調だった時代に策定されており、通貨ユーロの価値を守るために各国の借り入れを抑制することが主眼で、現状にそぐわなくなっている。

安定成長協定は、加盟国に債務残高を国内総生産(GDP)の60%未満とすることと、単年度の財政赤字をGDPの3%以下にとどめることを義務付ける。債務残高がこの基準を上回る場合、60%になるまで毎年20分の1ずつ債務を減らさなければならない。

しかしパンデミック以降、多くの加盟国は債務残高がGDPの100%を突破。ギリシャは約185%、イタリアは約150%となるなど、同協定順守は難しい状況にある。

こうした中でフランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダ各国政府やEU高官は、この20分1削減ルールを撤廃すべきだとの意見を出している。

新たにどのようなルールに置き換えるかはまだはっきりしていない。ドイツの考えは、各国は財政収支が均衡水準に達するまで毎年、少なくともGDPの0.5%相当の「構造的赤字」を減らすべきで、それぞれの経済成長も加味して債務管理に気を配るというもの。

あるユーロ圏の高官は「最も確率の高い結果は、われわれがこのドイツの立場に非常に近い形に到達する展開になるだろう」と予想した。

欧州各国が温室効果ガス排出量の削減目標達成に絡んで行っている多額の公共投資の扱いも重要な論点の1つ。フランスとイタリア、ポーランドは、これらの投資は将来的に見返りを生む以上、ルールを変えて従来の財政赤字の計算から除外できるようにしなければならないと主張している。

ドイツは特定項目をEUの財政赤字統計から切り離すのを好ましく思っていない。ただ各国が長期的に有益な投資や構造改革を実行しやすいようにしている現行の柔軟なルール運用の対象範囲を広げることには前向きのようだ。

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