[ミラノ 13日 ロイター] - 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは13日、破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)とは異なり、欧州の銀行が保有債券の損失を計上して清算する必要に迫られる可能性は低いとの見解を示した。
ムーディーズは「健全な流動性や資金構成、現金の保有、安定した預金基盤に基づき、欧州の大手銀行はおおむね債券を損失を計上して売却しなければならない事態を回避できる状況だと考えている」とコメントしている。
ムーディーズは欧州の銀行が保有する国債の3分の1が今後2年以内に満期を迎えるため、継続的な現金流入が確保され、資産を売却する必要性が低いと指摘した。
シリコンバレー銀行(SVB)と、暗号資産(仮想通貨)関連企業を中心に取引する銀行持ち株会社の米シルバーゲート・キャピタルの破綻は「信用を突然失い、その結果として集中した預金基盤から多額の現金が流出したこと」によるとの見方を示した。
「預金を資金源とする小規模な銀行は、忠実な預金者基盤の安定性に頼ることができるため、資金調達コストを大幅に増やすことなく債券の価値回復を待つことができる」と言及した。
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