[モスクワ/ブリュッセル/モスクワ 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)は10日、ベラルーシが難民をポーランドに流入させていると非難し、来週にもベラルーシに対する制裁措置を拡大する方針を示した。
EUのミシェル大統領は、ベラルーシ政府が戦争で荒廃し疲弊した国から難民を呼び寄せ、ポーランドに意図的に流入させることでEU東方に暴力的な混乱をもたらそうとしていると非難。「われわれはEUの域境で残忍なハイブリッド攻撃に直面している。ベラルーシは難民の苦痛を冷酷かつ衝撃的な方法で武器化している」と述べた。
ポーランド当局によると、中東やアフガニスタン、アフリカからの移民がベラルーシから押し寄せており、国境警備を強化している。
EU加盟27カ国の大使はベラルーシの行為が追加制裁の法的根拠になるとの見解で一致。追加制裁は早ければ来週にも実施され、ベラルーシの外相や国営航空会社を含む約30の個人・団体が対象になるとした。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ワシントンでのバイデン米大統領との会談後の記者会見で「来週初めには非常に迅速に、ベラルーシに対する制裁措置が拡大されるだろう」と述べた。
また、フォンデアライエン委員長によると、米国もベラルーシに対する制裁措置を用意しており、12月初に発動されるという。
一方、ロシア大統領府(クレムリン)は、EUは域境の一部を閉鎖することでベラルーシを抑圧しようとしていると非難。ロシア政府は今回の危機に関してEUがベラルーシに制裁を課すことは受け入れられないとした。
ロシア国防省は10日、ベラルーシの上空にロシア軍の超音速戦略爆撃機ツポレフ22M3を2機派遣し、ベラルーシ軍と共同で国境付近のパトロールを実施したと発表した。ロシア通信(RIA)が伝えた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」