[ロンドン/ストックホルム 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州議会委員会は27日、人工知能(AI)の利用に関する規則草案を巡り予備的な合意に達した。それによると、対話型AI「チャットGPT」のような生成型AIツールを導入している企業はシステム開発に著作権のある資料が使用された場合、開示が義務付けられる。
今後、規制案は欧州議会、EU理事会、欧州委員会の三者対話(トリローグ)に進み、法案の最終的な詳細が検討される。AI技術を管理する世界初の包括的な法律に道を開く可能性がある。
規制案では、AIツールを最小、限定的、高い、許容できないなどのリスクレベルに応じて分類。懸念される分野としては、生体情報の監視、誤情報の拡散、差別的な表現などが含まれるとみられる。リスクの高いツールが禁止される訳ではないが、そのようなツールを使用する企業は高い透明性の確保が求められる。
規制案は欧州委員会が約2年前に策定を開始したが、関係者によると、著作権に関する条項は過去2週間のうちに追加された。当初、一部委員は生成型AIモデルの学習における著作権のある資料の使用を全面的に禁止する提案を行っていたが、透明性確保を求める方向になったという。
欧州議会のSvenja Hahn氏は「監視強化という保守派の願いと、過剰規制という左派の妄想に反して、議会はAIを適切に規制し、市民の権利を守るとともに、イノベーションを促進して経済を活性化するための確固たる妥協点を見つけた」と述べた。
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