June 5, 2019 / 11:17 AM / 5 months ago

イタリアは「財政規則違反」、EUが是正手続き開始を勧告

[ブリュッセル/ローマ 5日 ロイター] - 欧州委員会は5日、拡大するイタリアの債務について欧州連合(EU)の財政規則違反と判断し、是正手続き開始を勧告した。手続きに着手すれば、対立の長期化や金融制裁、財政監視の厳格化につながる恐れもある。

 6月5日、欧州委員会は拡大するイタリアの債務は欧州連合(EU)の財政規則違反と判断し、是正手続き開始を勧告した。2018年10月撮影(2019年 ロイター/Alessandro Bianchi)

これに対し、イタリア政府高官らは「不公正だ」などと反発。首相官邸は、今年の財政赤字対国内総生産(GDP)比率が正式目標を大きく下回る見通しを示した。

イタリア公的債務の対GDP比率は2017年が131.4%、18年は132.2%。欧州委は今年が133.7%、来年は135.2%に拡大すると推計している。低下すべきとしたEU規則に違反する。

欧州委は、返済金利が経済成長を上回るペースで上昇し、債務が増大したと指摘する。

EUが促す経済問題解決への進展が限定的で、必要な構造改革も逆行していると指摘。これがイタリアの成長に悪影響を及ぼす可能性があるとの認識を示した。

<イタリア副首相ら反発>

サルビーニ副首相は欧州委の指摘を一蹴。声明で「削減や制裁、緊縮策で債務の増大や、貧困、不安、失業の拡大を目にしてきた。逆のことをする必要がある」と述べ、減税だけが債務を圧縮する方法と訴えた。

ディマイオ副首相はEUの扱いが不公平と指摘。他国がEU規則を大きく逸脱した財政赤字を抱えても、イタリアが直面する類の制裁を科されたことがないとし、EUが批判する年金改革に修正を加える考えはないと説明した。また「連日、イタリアや現政権に対する新たな批判の切り口が出てくることにとてもイライラしている」ともフェイスブックに投稿した。

イタリア首相官邸は、今年の財政目標合意に向けEU側と建設的な協議を望む考えを表明した。

今年の赤字の対GDP比率は2.1%と、正式目標の2.4%を大きく下回ると予想し、支出減で達成可能という認識を示した。

EU加盟国が2週間以内に欧州委員会の判断を支持すれば、是正手続き開始の勧告が可能となる。

EUは、イタリアが姿勢を変えれば、手続きを中止する可能性があるとも説明した。欧州委のドムブロフスキス副委員長(ユーロ問題担当)は「本日手続きに着手したわけでないことを明確にしたい」と話し、手続きの正式開始には他の措置が必要になるとの認識を示した。

国際通貨基金(IMF)は、イタリアの債務について、世界貿易摩擦や英国が合意なしでEUを離脱する「ハードブレクジット」と共に、ユーロ圏経済に対する主要リスクであると認識していると、EUの関係筋が明らかにした。IMFは来週に報告書を発表する見通し。

欧州委の勧告を受け、イタリア銀行株.FTIT8300が下落。10年債利回りIT10YT=RRは上昇した。

*内容を追加しました。

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