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焦点:アジアがEVバッテリー市場席巻、欧州の巻き返しあるか

[ロンドン、フランクフルト、ストックホルム 5日 ロイター] - 電気自動車(EV)用バッテリーは中国の比亜迪股分有限公司(BYD)1211.HK002594.SZなど先行するアジア勢が市場を席巻し、欧州でも生産拠点を増やして現地の自動車メーカーから契約を獲得するなど、巻き返しを狙うが、劣勢は否めない。

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欧州ではBYDのほか韓国のSKイノベーション096770.KS、GSユアサ6674.T、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)300750.SZなどアジアのEVバッテリーメーカーが生産拠点の建設を検討している。さらに韓国のLG化学051910.KSとサムスンSDI006400.KSは近く欧州の工場の操業を開始する予定で、中国のGSRキャピタルは日産自動車7201.Tから手に入れた英工場で既に生産に入っている。

アジア勢の生産拠点設置は欧州に雇用をもたらすが、欧州連合(EU)は域内企業がEV用バッテリー産業の成長に乗り遅れたり、海外企業の技術に依存するリスクを抱えることを警戒している。

欧州委員会のマロシュ・シェフチョビッチ副委員長(エネルギー同盟)は先月、「欧州は国際競争の中にあり、素早く動かなければならない。技術面で競争相手に依存するのは避けるべきだ」と述べた。

しかし、欧州は太陽光パネル分野で域内メーカーがこの10年間に安価な中国製品の輸入によって経営が立ち行かなくなった経緯があり、投資家の間からは欧州でのEV用バッテリー産業への支援に懐疑的な声も出ている。

国から大規模な補助を受けているアジア勢と戦うには同様な規模の資金支援が欠かせず、欧州委は次世代型のソリッドステートバッテリー(全固体電池)の推進に取り組む方が良いというのが投資家の見方だ。

コンサルタント会社であるアレクサ・キャピタルの創設者のジェラルド・リード氏は「欧州勢がアジア勢と対抗できるとは思えない」と話す。

コンサルタント会社のCRUによると、EVとハイブリッド車の世界の自動車市場におけるシェアは、2030年には現在の4%から30%に上昇する見込み。世界の自動車メーカーは今後5年間で新モデルを打ち出し、EVとバッテリーに少なくとも900億ドルを投資する計画である。

欧州の自動車メーカーはこれまでアジアからEV用バッテリーを輸入していた。しかしアジア勢による欧州での生産拠点設立で、一部がアジア勢の欧州拠点からバッテリー供給を受ける契約を結びつつある。

BMWBMWG.DEは「欧州バッテリー同盟」への不参加を表明し、フォルクスワーゲン(VW)VOWG_p.DEは、年内に操業開始するLG化学のポーランド工場からバッテリーを調達する計画だと明らかにした。

一方、欧州のEV用バッテリーメーカーはスウェーデンのノースボルトとドイツのテラEの2社にすぎない。ノースボルトは50億ドルを投じて2020年末までに大規模工場を建設する計画だが、投資家は資金提供に乗り気薄だ。

シュローダーズの首席ポートフォリオマネジャー、サイモン・ウェバー氏は「バッテリー産業は規模が重要。韓国、中国、日本などの先行メーカーが新規参入組に対して優位なのは明白だ」と述べた。

それでも欧州勢は、バッテリーは技術のサイクルや進歩のスピードが速く、アジア勢に追い付くチャンスはあるとみている。イノエナジーのディエゴ・パビア最高経営責任者(CEO)は「誰もがソリッドステートバッテリーの開発に取り組んでおり、(アジア勢との)差は徐々に縮まるだろう」と話した。

(Eric Onstad、Christoph Steitz、Esha Vaish記者)

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