June 4, 2019 / 2:38 AM / 23 days ago

景気対策上積みなら、日銀追加緩和の可能性=木内元日銀審議委員

[東京 4日 ロイター] - 元日銀審議委員で野村総合研究所・エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、政府が景気対策の上積みに動いた場合、日銀も追加緩和を行う可能性があると述べた。緩和手段としては、緊急避難的なマイナス金利の深掘りをメインシナリオとし、リスクシナリオとしては、国債の買い入れ増額を挙げた。3日、ロイターのインタビューに応じた。

 6月4日、元日銀審議委員で野村総合研究所・エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、政府が景気対策の上積みに動いた場合、日銀も追加緩和を行う可能性があると述べた。写真は都内で2017年8月撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

木内氏は、「消費増税の年」、「選挙の年」は政策が過剰に出やすいと指摘。消費増税実施が予定されている10月1日まで4カ月を切ってきた中で、世界の経済情勢が悪くなれば「消費増税先送りよりは、景気対策の上積みということになる。2兆円の何倍もの景気対策を打つ。その時には、日銀も協調政策として追加緩和を求められる可能性がある」と述べた。

追加緩和手段としては、マイナス金利の深掘りをメインシナリオとした。ただ、日銀内でも金融機関に配慮すべきという機運は強まっているため、物価が2%に達しなくても、景気が戻ればマイナス0.1%に戻すという「緊急避難的な下げ」を提案。

こうしたメッセージを発することで、金融機関にとって重要な3―4年物金利はあまり低下せず、イールドカーブはスティープ化。「金融機関へのダメージを小さくできる」とみている。

一方で、マイナス金利導入は、預金金利低下や金融機関経営への不安などから、国民に不評だったことから「政府の意向が働くと違ってくるかもしれない」とし、リスクシナリオとして国債の買い入れ増額を挙げた。

ただ、日銀が国債買い入れを増額することで、さらに流動性が低下した場合「ほとんど取引ができない状況で値が飛んでしまう可能性がある。国債は全ての金融商品、資産価格のベース。日本が世界の金融不安の引き金になる可能性もある」とし、「非常にリスクの高い政策だと思っている」と懸念を示した。

木内氏は「今の経済状況は、そこまでではない」とし、政府の景気対策の上積みや日銀の追加緩和が必要な状況ではないとも付け加えた。

日本だけが景気後退に陥った場合は「比較的浅く、短期的なものに終わる」とし、先行きの日本経済を見る上で重要なのは、世界経済が後退に陥るかどうかだと分析。現時点では「日本の判断基準では景気後退と判定されるかもしれないが、世界経済が後退して、日本も深刻な後退になっているという状況ではない」とした。

そのうえで、世界経済が後退に陥る可能性は「5割以下。メインシナリオはぎりぎり景気後退が回避される」との見方だ。

ただ、これは、3250億ドル相当の中国製品に対し、予定されている追加関税が実行されないということが前提。米中貿易問題が、世界経済を下振れさせる最大の要因となっており、「メインシナリオの確率が70―80%かというとそういうことではなく、半分を若干上回る程度。半分弱とはいえ、かなりの確率であるリスクシナリオとしては、今年か来年、世界経済は後退に進んでしまう」との見通しを示した。

こうしたことから、追加緩和に動く時期は「経済状況次第で、今年から来年に掛けていつでもあり得る」とした。

清水律子 編集:田巻一彦

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