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情報BOX:中国が原油輸入の監視強化、国有企業や精製業者の調査に着手

[シンガポール 28日 ロイター] - 中国政府が今年、石油業界の監視を少しずつ強めている。精製品への新たな課税権限を強化しているほか、国有エネルギー大手や独立系精製業者による原油輸入も調査している。

 中国政府が今年、石油業界の監視を少しずつ強めている。写真は中国中化集団(シノケム)のロゴ。北京で2017年2月撮影(2021年 ロイター/Damir Sagolj)

国家発展改革委員会は25日、国有石油大手5社に輸入原油のこれまでの使用記録を報告するよう求めたが、期限を2日間しか与えなかった。国内への石油供給が膨れ上がる中で、中国政府が輸入を統制しようとしていることの表れだ。

<中国の石油輸入の存在感>

中国は世界最大の原油の輸入国だ。消費量では米国に次ぐ世界2位。2020年の中国の原油輸入は前年比7.3%急増し、コロナ禍の中で石油需要が拡大した唯一の主要国市場となった。

SIAエナジーのアナリスト、Seng Yick Tee氏によると、今年は経済成長の強さに新たな精製能力、燃料税制の変更が加わり、原油輸入はさらに日量77万5000バレル、比率で7.2%増える可能性がある。

しかし中国の精製業界は生産能力の過剰と燃料供給の過剰を背負っており、中央政府はこれを解決したくて仕方がない。当局は課税逃れの取り締まりも狙っている。排出量の基準を満たさない燃料混合や販売も対象だ。

中国最大の石油消費地域である広東省は今年2月、混合燃料の不正取引の調査を主導し、関係者数人を拘束した。

<当局調査の対象>

中央政府の調査対象企業は中国石油化工(シノペック)、中国海洋石油(CNOOC)、中国中化集団(シノケム)、中国化工集団(ケムチャイナ)、中国兵器工業集団。各社の原油輸入は合計で同国の輸入全体の6割超を占める。調査内容は、各社が中国の他企業に石油を転売しているかどうかだ。彼らの輸入した原油が精製される過程で、税負担を軽くするための仕掛けがされたかどうかも調べている。

今回の報告要請は、国内の燃料過剰の増大と税収漏れについて中央政府が今年着手した広範な調査の一環だ。同国政府の輸入割当制度の枠外にある精製業者に、輸入原油が野放しで流入していることが背景にある。

国家発展改革委は4月には、山東省の独立系精製業者の調査に入った。そうした業者は輸入枠を得る代わりに、老朽化した非効率な設備の閉鎖を当局に約束した。

一連の調査では輸入枠の使い方も対象になった。山東省の幾つかの独立系の精製施設が、輸入原油を精製する資格のない他の業者に割り当てられた分を売っていたことが突き止められた。

<割当制度とは>

中国は2015年終わり頃以来、40以上の精製業者に割当制に基づく輸入原油の精製を認めている。しかし、当局の調べで、小規模な精製業者が輸入枠を超え、追加で原油や、希釈原油化合物などの他の原料を注文していたことが判明した。これが国内の供給過剰につながっていたという。

中央政府は6月12日から軽質原油(LCO)や芳香族化合物、希釈化合物の輸入に多額の課税を始める予定。これが燃料輸入を抑制し、中国精製業者の国内向けの売り上げや利益率を改善すると期待されている。

<石油市場への調査の影響>

中国は向こう数カ月で今年分の原油輸入の2回目割当枠を発表する見通し。今回の一連の調査は、中央政府による独立系業者への割当量削減につながる可能性がある。これが独立系業者の原油輸入意欲を抑制することになれば、割当制の対象ではない国営企業が購入を主導することになるとみられている。

今年分の原油輸入について、1回目の割り当てとして昨年12月に非国営企業に与えられた量は計1億2259万トンで、前年分の1回目割り当てから18%増加していた。

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