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焦点:北朝鮮のキーマンが訪米、金英哲氏とはいかなる人物か

[ワシントン 29日 ロイター] - 北朝鮮・朝鮮労働党中央委員会の金英哲(キム・ヨンチョル)副委員長がニューヨークを訪問し、ポンペオ米国務長官と会談することが明らかになった。北朝鮮の要人が訪米するのは18年ぶり。

金英哲氏はかつて北朝鮮の対外諜報工作機関である朝鮮人民軍偵察総局長を務め、現在は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の右腕として、歴史的な米朝首脳会談に向けた準備で中心的役割を担っている。

トランプ米大統領が29日、英哲氏の訪米についてわざわざツイッターで発表したことからも、同氏が果たす役割の重要性がうかがえる。韓国の聯合ニュースが関係筋の話として伝えたところによると、同氏は北京で中国高官と協議した後、米国に向けて30日出発する見通しだという。

ホワイトハウスは英哲氏が今週、ポンペオ国務長官と会談すると発表した。実現すれば両国の要人が米国で会談するのは、2000年に当時の金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記の特使として派遣された趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委員会第一副委員長が、クリントン大統領と会談して以来となる。

<外交の重鎮>

金英哲氏は軍高官、朝鮮労働党中央委員会の副委員長であるとともに、対南関係を担う党の統一戦線部長を務めている。北朝鮮の動向を注視する専門サイト「ノースコリア・リーダーシップ・ウォッチ」によれば、党や政府で数々の要職に就く英哲氏は、北朝鮮で最有力者の1人であるという。

英哲氏は最近の南北融和や、対米関係の改善において中心的役割を果たしてきた。

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同氏は4月と5月に2回行われた、ポンペオ氏と金正恩氏の会談をまとめた。また4月に行われた歴史的な南北首脳会談では、北朝鮮関係者として正恩氏の実妹である金与正(キム・ヨジョン)氏とともに同席を唯一許された。

<制裁下のスパイ>

金英哲氏はかつて北朝鮮軍の諜報機関である偵察総局の総局長を務め、同国諜報活動コミュニティーの幹部として約30年のキャリアをもつ。

米韓両国は、北朝鮮の核・ミサイル開発に関与したとして、2010年と16年に同氏を制裁対象に指定した。そのため、訪米にあたり制裁の適用除外措置が取られたとみられる。

また同氏は、偵察総局長在職中の2010年に起きた、韓国海軍哨戒艦沈没事件と延坪島砲撃事件で主導的な役割を果たしたと、韓国政府によって断定されている。このほか米情報機関は、2014年に起きたソニー・ピクチャーズに対するサイバー攻撃事件にも同氏が関与しているとみている。

北朝鮮はこれら事件について、関与を一切否定している。

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<金正日氏のボディーガード>

若き日の金英哲氏は、南北朝鮮を分断する非武装地帯を警備する民警部隊に所属していた。

また「ノースコリア・リーダーシップ・ウォッチ」によれば、金正恩氏の父・正日氏が最高権力者であったころ、ボディーガードとして仕えていたという。

正恩氏が父の後を継いだ際は権力の基盤固めに尽力し、公式訪問時には正恩氏に影のように付いて回る英哲氏の姿が確認されている。

英哲氏の性格について「ノースコリア・リーダーシップ・ウォッチ」は、辛らつで目上の相手でもあまり敬意を払わず、一緒に働くのが難しいタイプだと評している。

(翻訳:新倉由久 編集:伊藤典子)

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