[17日 ロイター] - 米規制当局は、医療保険大手シグナCI.Nによる薬剤給付管理(PBM)大手エクスプレス・スクリプツ・ホールディングESRX.Oの買収案を承認した。両社が17日明らかにした。買収規模は520億ドル。
シグナのデビッド・コーダニ最高経営責任者(CEO)は声明で「司法省の承認に満足している。これで統合にまた一歩近づいた」と表明した。
アナリストらは、両社の事業がほとんど重複していないことから統合について当局の承認が得られると見込んでいた。当局は米ドラッグストア大手CVSヘルスCVS.Nが690億ドルで米医療保険大手エトナAET.Nを買収する計画についても審査しており、シグナとエクスプレスの統合承認は良い前兆となる。
事情に詳しい関係筋によると、司法省によるCVSとエトナの統合計画の審査は今月に終了する可能性があるが、競争上の懸念を解消するための資産売却を考慮に入れると、さらなる時間を要するとみられている。
CVSの広報担当は、同社は引き続き、第3・四半期終盤あるいは第4・四半期に買収を完了すると見込んでいると述べた。
ウィリアム・ブレアのアナリスト、ジョン・クレガー氏はシグナとエクスプレス、CVSとエトナのそれぞれの統合計画によって米医療保険ヒューマナHUM.Nに対しても、業務内容が異なる企業との「垂直統合」を推進するよう圧力が強まることになると分析。「他の医療保険会社も追随を目指すかもしれない」とした。
司法省は2016年にエトナとヒューマナ、アンセムANTM.Nとシグナという2件の医療保険大手2社による合併計画を阻止している。
シグナはこの日の通常取引を1.4%高、エクスプレスは3.7%高で終了。CVSとエトナもそれぞれ1.5%と1%上昇して引けた。
*内容を追加しました。
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