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コラム

コラム:提訴されたフェイスブック、重要なのはユーザーの心象

[サンフランシスコ 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴された米交流サイト大手・フェイスブック(FB)は、2つの裁きに直面している。法廷での審判と、世論による裁きだ。米連邦取引委員会(FTC)と全米の大部分の州が9日に起こした訴訟は、決着まで数年を要する可能性がある。しかし、同社にとって最も重要なのは、総計32億人に及ぶユーザーが訴訟に動じずサービスを使い続けてくれることだ。

12月9日、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴された米交流サイト大手・フェイスブック(FB)は、2つの裁きに直面している。写真はフェイスブックのロゴ。4月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

原告側は、フェイスブックによる過去の買収が競争を阻害したと訴えている。ニューヨーク州のジェームズ司法長官は、フェイスブックが2012年に写真共有アプリ「インスタグラム」を、2014年に通信アプリ「ワッツアップ」を買収した際、いずれも「買収に応じなければ葬り去ってやる」戦略で臨んだと指摘した。

訴訟の最も極端な結末は、フェイスブックの強制的な解体かもしれない。ただ、ハードルはかなり高い。強制解体に持ち込むには通常、被買収企業が生まれたばかりの企業などではなく、重大な競争相手だったと証明する必要がある上、裁判所はこれまで、何年も前に実施された買収の巻き戻しを命じることには消極的だった。罰金が科される可能性もあるが、フェイスブックには約560億ドルもの手元資金がある。

フェイスブックに対し、より短期的な影響を及ぼしそうなのはユーザーの反応だ。今のところ、ユーザーは同社への批判に関心がなさそうだ。同社の第3・四半期決算は、収入が前年同期比22%増と着実な伸びを示し、各種アプリの月間アクティブユーザーは14%増えた。夏に実施された広告ボイコットによる打撃は大きくなかった。

この状態を保つには、ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)自身が、標的になり過ぎないよう振る舞うのが一番だ。マクロソフトが1990年代末に反トラスト法訴訟に直面した時、共同創業者のビル・ゲイツ氏は尋問で戦闘的な姿勢をあらわにし、記憶違いだったなどの言い逃れもした。同社は和解し解体を免れたが、技術の共有を強いられた。ゲイツ氏は2000年にCEOを退いた。

ザッカーバーグ氏にも弱みがある。今年7月の議会公聴会では「インスタグラムは、わが社に害をもたらし得る」と記した12年のザッカーバーグ氏の電子メールが取り上げられた。

被買収企業の幹部らが、身売りに応じなければフェイスブックが「破壊モード」に出てきそうだと心配する様子のメールも提示された。こうした事実は取り返しがつかないが、ザッカーバーグ氏が反攻を強めたり、政治家をさらに挑発したりしないように振る舞うことはできるだろう。

フェイスブックは少なくとも、出発点では優位に立っている。反トラスト法に違反していようがいまいが、数十億人のユーザーは喜んでサービスを使い続けている。ザッカーバーグ氏が自身と株主のためにできる最善の策は、なるべく身を低くしてこの状態を維持することだ。

●背景となるニュース

*米46州および首都ワシントン、米領であるグアムの司法長官と米連邦取引委員会(FTC)は9日、買収を通じて反トラスト法に違反したとしてフェイスブックを提訴した。インスタグラムとワッツアップの買収で、ライバルつぶしを試みたとしている。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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