[ダブリン 30日 ロイター] - 米フェイスブック(FB.O)は30日、個人情報保護を巡る裁判について、アイルランド高等法院が欧州司法裁判所に付託するのを阻止するため、上訴した。米国への利用者データ移転を容認する法的枠組みが禁止されるのを回避する狙いがある。
裁判は個人情報保護に関する活動家が起こしたもので、グーグル(GOOGL.O)やアップル(AAPL.O)などテクノロジー大手が利用しているEU28カ国外へのデータ移転を可能とする枠組みが、米国の監視からEU消費者を十分保護しているかどうかについて争われている。
欧州司法裁がこうした枠組みに反対する判決を下せば、何百万件といったデータの移転を日々行っている多くの企業にとって大きな打撃となり得る。
アイルランド高等法院は4月、データ移転に使われている方法が合法かどうかの判断を欧州司法裁に委ねる決定を下した。
フェイスブックの弁護士ポール・ギャラガー氏は、アイルランドの最高裁が上訴を受け入れるかどうか判断できるよう、欧州司法裁への付託を遅らせることを要請した。