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コラム

コラム:米メタ、サンドバーグCOO退任で失うものと抱える不安

[ワシントン 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米メタ・プラットフォームズのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)が今秋に退任する意向を発表したことは、同社にとって悪いタイミングだ。サンドバーグ氏の下でもメタは数々の問題を抱えていたが、少なくとも特定のビジネスモデルを持っており、同氏はそれを投資家に売り込める一流の経営幹部だった。抽象的なビジネスに野心を燃やすマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がサンドバーグ氏の代わりを務めるのは難しいだろう。

 6月1日、米メタ・プラットフォームズのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)が今秋に退任する意向を発表したことは、同社にとって悪いタイミングだ。2018年1月、パリで撮影(2022年 ロイター/Thibault Camus)

サンドバーグ氏が当時スタートアップ企業だった旧フェイスブックのCOOに就いた2008年、同社の売上高は2億7200万ドルだったが、昨年は1180億ドルと驚異的な成長を遂げた。増収のほとんどを占めるのは広告販売だ。サンドバーグ氏はフェイスブックに移る前、アルファベット傘下グーグルでオンラインセールスを司っていた。

フェイスブックは2020年にフォード・モーターやアディダスなど大手企業の広告ボイコットに遭ったが、サンドバーグ氏のおかげで減収を回避し、コロナ禍も上手に乗り切った。eマーケターの調べによると、メタは現在、米国のオンライン広告市場のシェアが約24%と、グーグルに次いで2位に付けている。

しかし、メタはサンドバーグ氏の在任中に多くの課題を抱えることになった。第一に、広告収入が既に減速し始めている。モフェットネイサンソンの推計では、グーグルのオンライン広告販売は今年16%増えるのに対し、メタは2%の伸びにとどまる見通しだ。採用と投資のペースも落ちており、広告とユーザー数の両面で中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」との競争が激しさを増している。

サンドバーグ、ザッカーバーグ両氏は、米大統領選への外国の干渉や、昨年の米連邦議会議事堂襲撃の計画にフェイスブックが利用されることを防げなかった。昨年末にはフェイスブックのユーザーベースが初めて縮小した。

サンドバーグ氏の退任により、メタは今なお必要な2つのものを失うことになる。1つは米政府での経験だ。かつてサマーズ元財務長官の首席補佐官を務めた同氏は、メタが規制当局の標的になるのを防げなかったとはいえ、当局と緊密にやり取りするアプローチを採っていた。

もう1つは財務面での信頼性だ。拡張現実(AR)と仮想現実(VR)に集中するザッカーバーグ氏は構想力に富む一方で、投資家から見れば非常に不安定に映る。メタは2021年、いわゆるメタバースに100億ドルを投じ、この部門でしばらく赤字が続くとの見通しを示している。サンドバーグ氏の後任となるハビエル・オリバン氏は財務ではなく商品の専門家だ。

メタの株価は過去1年間に43%余りも下がっている。この間のナスダック100指数の下落率は8%にとどまり、アルファベット株はその半分だ。つまりサンドバーグ氏の退任は、新たな問題こそ呼び込まないかもしれないが、メタが既存の問題の解決法をまだ見つけられないタイミングでやってくる。

●背景となるニュース

*メタ・プラットフォームズのシェリル・サンドバーグCOOは1日、今秋に退任する意向を明らかにした。サンドバーグ氏はメタに14年間在籍。今後も取締役会にはとどまり、女性問題を扱うために自身が設立した財団に専念するとしている。

*メタのザッカーバーグCEOは、サンドバーグ氏の後任にハビエル・オリバン最高成長責任者が就くことを明らかにした。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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