for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

ブログ:中国の「レンタル彼女」

[福建省(中国) 19日 ロイター] - 中国の女性ブロガーが、春節で故郷に帰省する男性に「レンタル彼女」として同行した体験をインターネットに投稿して注目を集めている。彼女は、結婚相手探しを巡る中国の世代間ギャップを感じたという。

 7月19日、中国の女性ブロガーが、春節で故郷に帰省する男性に「レンタル彼女」として同行した体験をインターネットに投稿して注目を集めている。写真は、北京の自宅アパートでエレベーターに乗るZhao Yuqingさん。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

最近大学を卒業したZhao Yuqingさんは、シングルの男女が、春節に親や親戚に紹介する「レンタル・パートナー」を探せるサイトやアプリを見て、関心を持ったという。

帰省に同行するため北京の空港に向かうZhao Yuqingさん。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

帰省に同行するため北京の空港に向かうZhao Yuqingさん。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

春節期間中、結婚と一族の子孫をつなぐことの重要性を家族から諭される独身の男女は多い。

そこで、独身者の中には、偽の彼女や彼氏を雇えるアプリやサイトに頼る人が出てくる。

北京の空港で仮眠をとるZhao Yuqingさん。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

北京の空港で仮眠をとるZhao Yuqingさん。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

ロイターが確認したアプリやサイトでは、学歴があって魅力的な20代なら、春節の繁忙期の一日あたりの料金は3000─1万元(約5万─16万6000円)となっていた。

Yuqingさんもサイトに自分の広告を出し、休暇の帰省に同行するパートナーとしての体験を求めているため、交通費だけ負担してもらえればよい、と説明した。

福建省の実家近くで撮影に応じるWang Quanmingさん。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

福建省の実家近くで撮影に応じるWang Quanmingさん。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

応募があった700人の中から、Yuqingさんは、中国南部出身で、ウェブサイト運営者の30代前半のWang Quanmingさんを選んだ。

「彼は結婚するよう迫られていて、本当に彼女をレンタルしたがっていた」と、Yuqingさんは、ロイターのカメラマンに語った。

カメラマンは、サイトで広告を見てYuqingさんとQuanmingさんのやり取りを知り、2人に接触。2人の帰省に同行した。

1月に福建省の高地にあるQuanmingさんの実家に帰省する前に、2人は彼の両親に話す2人の「遠距離恋愛」のストーリーを作り、帰省中のルールを取り決めた。

2人は、3日間の帰省のルールを書きとめた。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

2人は、3日間の帰省のルールを書きとめた。1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

それによると、2人はキスをしたり、一緒に寝たり、酒を飲んだりすることはしないものの、Yuqingさんは実家の家事を手伝う。2人はこうしたルールを、手書きの契約書で明文化した。

到着した2人を出迎える母親のNong Xiurongさん(中央)福建省で1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

到着した2人を出迎える母親のNong Xiurongさん(中央)福建省で1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

カップルが到着すると、Quanmingさんの母親のNong Xiurongさんは、Yuqingさんにくつろいでもらおうと気を配り、息子の希望に応えて2人をそっとしてあげ、2人の関係について質問しないようにした。

訪問が終わると、Yuqingさんは北京に戻り、その体験を中国発のメッセージアプリ「WeChat」のブログに投稿し、Quanmingさんの実家で「素晴らしい体験をした」と書いた。

Wang Quanmingさん(右)の実家で食卓につくZhao Yuqingさん(中央)1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

Wang Quanmingさん(右)の実家で食卓につくZhao Yuqingさん(中央)1月撮影(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

一方のQuanmingさんは、そのままでは母親との間で状況が悪くなると考え、本当の事を話すことにした。そして、Yuqingさんのブログを母に送った。

ロイターの電話取材に応じた母親のXiurongさんは、事実を聞いても動揺したりせず、Yuqingさんのブログを読んで感銘を受けたと話した。

Zhao Yuqingさん(左)にお茶のギフトを渡すNong Xiurongさん(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

Zhao Yuqingさん(左)にお茶のギフトを渡すNong Xiurongさん(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

「最初は、だまされていると知らなかった」と、Xiurongさんは言う。「私は50歳を超え、若い人たちの考えることは分からない。でも怒りはしなかった」

それでもXiurongさんは、息子のパートナー探しを心配しているという。

Wang Quanmingさんの両親(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

Wang Quanmingさんの両親(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

Quanmingさんは、今回の顛末(てんまつ)を知った後も、伴侶を見つけてほしいという母親からの圧力は弱まっていないという。「早く結婚してほしいという母の要請はまだある」と、彼は言う。

Yuqingさんにとって、今回の体験は、伝統的な結婚観が地方には残る中国で、結婚を巡る世代間の緊張を解決するのがいかに難しいか示すものだった。

「村の特殊な環境下では、全てが拡大される。結婚の緊急性がより高く、かえって本当に適したパートナーを見つけるのが難しくなっている」と、Yuqingさんは語った。

帰省を終え、実家を後にするWang Quanmingさん(中央)とZhao Yuqingさん(左)(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

帰省を終え、実家を後にするWang Quanmingさん(中央)とZhao Yuqingさん(左)(2017年 ロイター/Muyi Xiao)

(写真:Muyi Xiao 文責:Christian Shepherd)

中国では近年「レンタル彼女/彼氏」というサービスが人気を集めている。春節などで実家へ帰省した際、早く結婚しろと口やかましく言う両親や親せきを納得させるために、パートナーのフリを演じてくれるというもの。このサービスを通じて「カップル」になった男女が迎えた春節とは、いったいどのようなものだったのか。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up