June 11, 2019 / 3:53 AM / 2 months ago

コラム:「破談」のルノーとFCA、容易ではない経営統合復活

[ロンドン/香港 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ルノー(RENA.PA)とフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI)の破談になった経営統合で、計画が復活する可能性を巡る最新の報道は懸命に頭を働かせれば読み解きが可能だ。ただ、いったん冷静になって。ルノーの筆頭株主であるフランス政府と提携相手の日産自動車(7201.T)が絡む交渉が、提携を損なうガバナンス(企業統治)の機能不全にさらされているのだ。

6月10日、ルノーとフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の破談になった経営統合で、計画が復活する可能性を巡る最新の報道は懸命に頭を働かせれば読み解きが可能だ。写真は両社のロゴ。仏ニースで3日撮影(2019年 ロイター/Eric Gaillard)

FCAのエルカン会長は先週、フランス政府の介入を受けて、ルノーに持ち掛けた330億ユーロの経営統合計画を突如撤回したが、この案件はまだ完全には葬り去られていないかもしれない。ロイターの10日の報道によると、エルカン氏とルノーのスナール会長は案件の復活を模索しており、これはルノーが日産への出資比率を43%から引き下げることで実現するかもしれない。また、フランスのルメール経済・財務相は、フランス政府がルノーへの出資比率を15%から引き下げることはあり得ると述べた。一方、スナール氏は日産の西川広人最高経営責任者(CEO)に書簡を送り、日産が進めている指名委員会等設置会社に移行する改革案を阻止すると揺さぶりを掛けた。

こうした雑音の中から希望の兆しを選り抜くこともできる。ルメール氏がルノーとFCAの統合協議に事実上ストップをかけたのは、日産の統合への反応が冷たいことを懸念したためだからだ。ルノーが保有する日産株の一部を手放し、フランス政府もルノーへの影響力を弱めれば、日産は統合支持を決めるかもしれない。スナール氏が日産の指名委設置に拒否の脅しをかけたことは日産に対し、統合に協力する新たなインセンティブを与える。

ただ、こうした筋書きが実現する可能性は依然として非常に小さい。ルノーは過去に、日産を提携深化に追い込もうとして、反発を食らった。スナール氏が日産に送った改革案に反対する書簡は、ルノーが日産の企業統治への不介入を約束した2015年の取り決めの精神に明らかに反している。ルノーと日産の提携が解消されれば、FCAにとってルノーとの統合は魅力が薄れる。FCAが統合で見込んだ年間50億ユーロのコスト削減効果のうち、20億ユーロは資材の共同調達を想定したものだからだ。

日産の株価は1年間で30%下げており、ルノーにとって日産株を手放すにはふさわしくないタイミングでもある。またフランス政府にとっても、FCAとの経営統合前にルノー株を売却すれば統合の果実を取りこぼすリスクがある。

重要なのは、ルメール経済・財務相が話し合いで目立った動きをして、フランス政府の介入についてエルカン会長が懸念を強めている点だ。あまりにも多くの関係者が話し合いへの参加を求めているため、統合後の円滑な経営はいっそう困難にさえ見える。

●背景となるニュース

*欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI)と仏ルノー(RENA.PA)は、破談した経営統合計画を復活させ、ルノーの提携相手である日産自動車(7201.T)の承認を確保するための方法を模索している。複数の関係筋がロイターに明らかにした。

*関係筋によると、日産はFCAとルノーの経営統合を支持する見返りとして、ルノーに対し日産への出資比率を現在の43.4%から大幅に引き下げることを求める構え。

*フランスのルメール経済・財務相は、ルノーと日産の提携強化のためならフランス政府のルノーへの出資比率を引き下げる用意があると述べた。AFP通信が8日伝えた。

*日産は10日、株主総会に諮る指名委員会等設置会社への移行に関する議案について、ルノーから投票を棄権する考えを示す書簡を受け取ったと明らかにした。ルノーの賛成が得られなければ議案の承認は事実上不可能。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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