June 6, 2019 / 5:14 AM / 19 days ago

コラム:FCAのルノー統合撤回、最大の敗者はフランス

[ロンドン 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI)と仏ルノー(RENA.PA)の総額330億ユーロの合併話は、持ち上がってから1週間もたたずにブレーキがかかり破談となった。

民間の主要株主の支持にもかかわらず、両社にとって年間50億ユーロのシナジー効果は失われ、フランス政府は企業重視の信頼性を失った。

FCAは5日遅く、ルノーの取締役会が合意に至らなかったとして、両社の対等合併計画を撤回。ルノーの15%株主であるフランス政府は投票の延期を求めていた。ルメール経済・財務相は統合に前向きだったが、雇用や本社機能の場所、ガバナンスを巡る保証を要求。フィアットの声明は「フランスの政治情勢」により統合の実現が不可能になったとしている。

何らかの形で計画の救済は可能だ。そうでなければ、4者が大きな痛手を被って敗者となる。ルノーとフィアットは、BREAKINGVIEWSの試算による現在価値で190億ユーロのコスト削減を共有できなくなる。これは、統合計画が明らかになる前の両社合わせての市場価値の半分以上に相当する。フィアットの創業家出身のジョン・エルカン会長は、電気自動車分野で可能性のある数少ないパートナーの1つを失うことになる。

一方、ルノーと日産自動車(7201.T)はカルロス・ゴーン前会長の追放以来提携がほころんだまま。日産の西川広人社長兼CEO(最高経営責任者)は、ルノーのスナール会長による提携強化の提案を拒絶している。両社の統合は目減りしつつあるそれぞれの企業価値を押し上げるだろうが、フィアットの例と同様、おそらく政治とエゴが進展を阻んでいる。

最大の敗者はフランスだ。ガバナンスと雇用、ルノーの評価でFCA会長に強硬に譲歩を迫りすぎた可能性がある。政府の介入は、戦略的に重要と考える企業の株式を保有する国では珍しいことではない。ただ、マクロン大統領は市場重視の政策と民営化推進を掲げて政権を勝ち取った。にもかかわらず政府はルノーに対しとてつもなく大きな影響力を維持しており、日産とフィアットの不興を買っている。

マクロン大統領は国を代表する自動車メーカーの合併を葬り去ってしまったのかもしれない。それは厄介で、そしておそらく非常に高くつく間違いだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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