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コラム

コラム:バイデン政権下のFRB人事、負け組は金融業界か

[ワシントン 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米金融業界はバイデン米政権下の米連邦準備理事会(FRB)人事で足元をすくわれるかもしれない。FRBはパウエル議長とクオールズ副議長(銀行監督担当)の2人が2022年にかけて任期を迎え、留任か交代かをバイデン大統領が判断する。パウエル氏は難なく残留しそうだが、クオールズ氏はそうは行かないだろう。健全性の監督作業でクオールズ氏が支えになっている金融機関にとっては残念なことだ。

 2月22日、米金融業界はバイデン米政権下の米連邦準備理事会(FRB)人事で足元をすくわれるかもしれない。ワシントンのFRB本部で2017年5月撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)

パウエル氏は完全雇用と財政刺激策を支持しており、バイデン氏と歩調がそろっている。トランプ前大統領の指名を受けて議長に就任したが、任期を迎える2022年2月に更迭される理由はない。米国の失業率は昨年4月に15%近かったが、今年1月には6.3%に下がった。

しかし今年10月に任期が切れるクオールズ氏が副議長に留任することはないだろう。FRBはクオールズ氏の在任中に、金融機関の自己勘定取引を制限する「ボルカー・ルール」などいくつかの規制を緩和した。クオールズ氏は新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、いったんは銀行の自社株買い禁止を押し進めたが、昨年12月には一転、自社株買いの緩和に手を貸した。

バイデン氏は既に他の監督機関の人事から米金融業界に厳しい姿勢で臨むことがうかがわれる。FRBではブレイナード理事がクオールズ氏に代わって副議長に就きそうだ。ブレイナード氏はボルカー・ルールや自社株買い規則の緩和に反対し、ことあるごとに人種間の貧富差縮小の必要性を訴えている。昨年、他の理事が賛成した政策に反対票を投じたのはブレイナード氏だけだ。

バイデン氏は多様性も強調しているが、FRBは理事7人がすべて白人で、目標に達していない。ニュースサイトのアクシオスが報じたように、現在空席となっている理事にミシガン州立大学のリサ・クック教授が起用されれば初の黒人女性理事となる。

クオールズ氏が交代すれば、銀行の保有すべき自己資本の事実上の基準を定める、年1回のストレステスト(健全性審査)は金融機関にとってストレスが増しそうだ。新型コロナの感染者数は減っており、制限は緩和されると金融業界の専門家は見込んでいるが、厳しい人物が監督担当になれば用心のために継続するかもしれない。

米金融業界にとって最悪なのは、大手銀は分割されるべきだと信じる人物が監督担当に就任する場合だ。金融機関にとって幸いなことに、民主党は議会上院でかろうじて過半数の議席を握っているにすぎず、いかなる指名人事についても承認が必要なため、こうした事態が発生することはないだろう。しかしFRB人事を巡る次の「椅子取りゲーム」で大手金融機関は、やはり席が取れないままになるかもしれない。

●背景となるニュース

*パウエルFRB議長は23日、上院銀行委員会で開かれた経済状況に関する公聴会で、国内の景気回復は依然として「まばらで完全とはほど遠い」状態にあり、FRBが完全雇用の復帰に向けて導入した政策の変更を検討するまでには「しばらく時間がかかる」との認識を示した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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