[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は27日までの週に、新型コロナウイルス危機に対応する緊急措置の1つである社債買い入れプログラム「セカンダリーマーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティー(SMCCF)」で、社債に投資する上場投資信託(ETF)を11億7700万ドル購入した。これにより、同プログラム下での社債ETF保有額は合計29億7800万ドルとなった(訂正)。FRBが28日公表したデータで分かった。
また、SMCCFでの資産保有総額は348億5300万ドルとなり、前週の約18億ドルから急増した(訂正)。
増加分の大半は、財務省の株式投資を使った22日の取引でポートフォリオに追加された非市場性の米国債318億7500万ドルが占めた。
ジャニー・モンゴメリー・スコットの首席債券ストラテジスト、ガイ・レバス氏は、FRBによる社債買い入れ加速は、同プログラムの発表以来見られていた企業による大量の社債発行の影響を相殺する効果があるとみられると指摘。
「FRBの発表以来、社債のスプレッド(米国債との利回り差)は縮小した。ただ、社債発行の多さがスプレッドのさらなる縮小を阻んできた」と述べた。
ICE/バンク・オブ・アメリカのデータによると、米高利回り社債の米国債に対する平均スプレッドは27日時点で190ベーシスポイント(bp)となり、新型コロナ感染拡大で金融市場が混乱した3月に付けた401bpを大幅に下回る水準となっている。
それでもなお、2019年末時点の101bpからは拡大している。
企業が年初から発行した投資適格級の社債は1兆ドルを上回っている。
リッパーによると、27日までの週に投資適格級債券ファンドは75億0200万ドルの資金流入超となり、高利回り債ファンドは63億1800万ドルの流入超だった。
FRBは今月12日に社債に投資するETFの買い入れを開始。購入対象の社債の詳細は開示していない。
※28日付配信記事で、英文の訂正により、見出しと本文第1・2段落の表現を修正し、3段落目を追加しました。
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